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2012年1月27日 (金)

神経質礼賛 749.太公望

 朝のニュース番組を見ていたら、都心の釣り堀が話題になっていた。忙しい日常から離れる場というばかりでなく、コミュニケーションの場としても利用されているという。会社の上司が部下たちと仕事帰りに寄り、ざっくばらんに仕事の話をしながら釣りをする例や、釣り堀で合コンという例を紹介していた。

 釣りの愛好家のことを太公望という。国語辞典を引くと、「釣りをする人。釣りの好きな人。中国周の政治家呂尚(りょしょう)が釣りをしていて周の文王と出会ったとき、文王がこの人こそ周の祖、太公が待ち望んでいた賢者だと言ったという故事から」とある。時は紀元前11世紀、殷の王は贅沢な生活に遊びふけり、忠告するような人物は片っ端から処刑した。呂尚は、殷を倒すために誰かが自分を探しに来るだろうと考え、80歳まで釣りをして待っていた。その間に生活苦から妻は去って行った。祖父・太公からいつか賢人が現れるだろうと告げられていた文王は、釣りをしている呂尚を一目見てこの人だと思い、太公望と呼び大臣に取り立てる。文王の子・武王はすぐに殷を倒そうとするが、呂尚は、釣りと同じように絶好の機会が来るまで我慢するようにと諭す。やがて殷の人々はあまりのひどさに王のことを話さなくなくなり、その機を見て武王は戦いを挑んだ。呂尚が先頭に立って戦い、ついに殷を倒して周が中国統一を成し遂げたという。

 私は釣りとは縁がない。鮎釣りが趣味だった父親に連れられて小学生の時に川に行ったことがある。釣れるかどうかわからないのに気長に待っていることが苦痛に感じられ、それ以来行ったことがない。父について釣りの修行(?)をしていたら、人生も変わっていたかもしれない。私と同様、神経質な人には割と気が短い人がいる。歴史上の神経質人間として当ブログ・拙著で紹介した徳川家康にしても、元来は短気な小心者だったが、長い人生経験の中で仕方なしに我慢して待つことを身につけていって大成したのだと思う。

 神経症に苦しんでいる方々にも我慢が必要である。機が熟せば治る、という面がある。まずは苦しいままに仕方なしに仕事に手を出していく。それですぐに症状が消散するわけではない。症状がすぐになくなることを期待して作業をしていたのでは、症状に対するとらわれがなくなっていないので治らないのだ。いつ釣れるかわからないけれども釣り糸を垂れる太公望よろしく目の前の仕事に取り組んでいればいつかは良くなっていくものである。

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コメント

 先生、こんばんは。

 釣愛好家を太公望と呼ぶことをはじめて知りました。私も、子供の頃有料の人口釣り堀に連れていかれたくらいで、大人になってからはまったく釣りはしていません。が、「釣り」は上等な遊びとして、ずっと憧れがあります。私も、釣れるかどうかわからないのに気長に待っていることができないタイプで、釣りをする人の、それを苦痛に感じないおう様な姿は、いいな~、と思います。

 弟が最近釣りをするようになりました。「釣りをしているときって、海に向かっているだけで、何にも考えないからいいんだよ」、と彼は言います。それが本当だとしたら、我が弟ながら、感心します。私は、そんなときもきっと雑念の連続です(雑念恐怖ではありませんが)。

 私は、目下、強迫神経症の症状よりも、気の重さ、外出のおっくうさが悩みです。が、先生の記事に興味をひかれ、現にこうやって結構長い文章を書き込む行動をしているわけだから、先ずは、何かに着手するかしないかなのでしょう。自分に言い訳をしてはいけませんね。頑張ります。

先生、こんばんは。
今朝の地震は大きかったようですが、大丈夫でしょうか。

先の書き込みの方のように、私も釣りで無心になることはできないと思います。あれこれと負の考えが浮かんでしまいそうです(笑)
いろいろと働いている方が、精神状態は良い気がします。311の時は先生に励まされ不安定な気持ちから抜け出すことができました。最近では首都圏直下の地震がおきると不安を煽るような報道がありましたが、今できることをやる精神で、適度に用心をすることを目指しています。

teardrops様

 コメントいただきありがとうございます。

 マンガや映画でおなじみ「釣りバカ」浜ちゃんのように釣りが楽しめる人はいいなあ、と思いますよね。でも、自分なりに楽しめるものがあれば何でも良いのではないでしょうか。

 そうです。小さなことでも積み重ねれば大きな成果になります。神経質は動き始めるまでが大変ですが、一旦動き出したら今度は簡単には止まりません。めんどうだなあ、と思いながらも行動してみて下さい。

 

アッシュ様

 御心配いただきありがとうございます。今朝は、駅で電車を降りて病院へ向かう職員送迎のワゴン車に乗っている途中で地震がありました。当地は震度4でした。院内のエレベーターが止まってしまい、回復するのに3時間位かかりました。一斉にあちこちのマンションやビルのエレベーターが止まってしまい、メンテナンス会社の人がすぐには来てくれなかったようです。いつもエレベーターで運んでいる朝食の下膳は職員の人海戦術で階段経由でした。

 このごろ首都圏直下型地震の可能性が新聞記事に出ていたり、週刊誌には地震の時のサバイバル術について書いた記事が出ていますね。ただ、日本のどこにいても大地震に遭う危険性はあるわけですから、ただ怖がっていてもどうにもなりません。普段からなるべくエレベーターは使わないとか、サバイバルツールを身につけるという工夫はできます。私がいつもポケットに入れているキーホルダーは連続点灯できるLEDライトになっていて、実際これが役に立つ場面が(地震以外で)いろいろありました。神経質を生かして非常時に備えておけば、きっと役立つことと思います。
 

太公望という呼び名は知っていましたが、歴史上何を為した人なのかは知りませんでした。今回の記事で大変な大物だと理解できました。
釣りについては、「短気な人の方が実は向いている」と何度か耳にした事がありますが、まだその意味を深く味わっていませんです。

たらふく様

 コメントいただきありがとうございます。

 ニュースで釣り人のことを太公望とよく言いますね。私も太公望の由来はうろ覚えでした。釣りは短気の最高の治療法かも知れません。でも私はやっぱり釣りはだめです(笑)。

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