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2012年2月17日 (金)

神経質礼賛 757.アップとルーズ

 

 小学校4年国語の教科書に「アップとルーズで伝える」(NHK解説委員の中谷日出氏著)という教材があるのだそうだ。同じシーンでもアップ映像とルーズ映像では伝えられることが異なり、情報の送り手が伝えたいことは何かを考えて使い分けされている。そうした説明文を読んで、「写真と文章で説明しよう~リーフレットをつくろう~」という単元だ。デジカメで手軽に写真が撮れて、ワープロソフトを利用して容易に写真入りのリーフレットが作成できるようになった現代らしい教材である。

 

 「アップ」はズームレンズを望遠にして拡大して写すから対象となる人物や物の一部が強調されるので、人物の顔の表情を強調したり、その物の注目点を詳細に表現したりすることができる。「ルーズ」は逆に広角にして写すので、全体像を見たり他の人物や物との関係を表現したりすることができる。これらの技法、特に「アップ」は使いようによっては偏った視点に立った情報になってしまうおそれもある。見る側もアップで切り取られた偏った情報になっていないか、情報を鵜呑みにしないで全体を見渡して評価する力が求められるだろう。

 

 神経質の人はともすれば「アップ」で物事を見過ぎる傾向がある。しかも高性能望遠レンズによる超アップ映像になりがちだ。対象をクローズアップし過ぎれば、どうしてもアラが見えてくるものであり、悪いところ探しにつながりやすい。森田療法を受けている人の日記を見ると、特に強迫的な人の場合、ごく些細な事にもこだわって書こうとしていて、後から追加したり書き直したりしていて、欄外にまで書き込みがあって、読むのに骨が折れる。全体が見えていないのである。全体のバランスを考えればこんなふうにはならないはずだ。症状の記述ともなればさらに念が入る。時には、あえて「ルーズ」で全体を見ることも大切である。広角レンズで全体像をとらえれば、こだわっていることが実は取るに足りないことだと気づくはずである。神経質には「アップ」だけに偏らない「ルーズ」の視点が必要である。

 

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コメント

>「ルーズ」で全体を見ることも大切で・・・

人生を振り返って、痛切に思うのは、「視野の狭さ」です。最近どこかで目にした「アスペルガー」という症状が自分によく似ているとも感じております。

海や山の見える土地に生まれ育った人は、自然の大きさとみずからの小ささを体感して、過度のズームに凝り固まることもないかも・・とかいう言葉遊びは、森田先生がもっとも嫌うところですね(汗)

たしか森田先生がお父様との気質の違いをお書きになったところで、「父は集中するとほかの事がまったく留守になるようなことがあった。神経質の自分とは大きな違いだった」のような記述を見た覚えがございます。
 
わたくしは「留守になってしまうのが神経質」と思っておりますが、自己を発揮しだした神経質者は、何事にもよく目が行くので、バランスを失しないということでしょうか。 

たらふく様

 コメントいただきありがとうございます。

 正馬先生の父・正文さんは、勤勉実直で独立独歩の精神が旺盛だったと伝えられています。熱中すると他のことに対する気配りがおろそかになることがあったそうですが、正馬先生自身にも似たようなエピソードはあります。犬に追われて逃げ惑う鶏はそのままにして、どうして鶏が逃げ出したのか小屋ばかり調べた話、妻の久亥がコップをいつものと取り替えたことに気づかず、牛乳をコップに移すとあふれてしまい、「どうしてなのか合点がいかん」と言いながら注ぐのをやめずにこぼし続けたという話が『久亥の思ひ出』に書かれています。不思議だと思うと徹底的に探求しようと熱中する性格は父親譲りだったと言われています。

 「留守になってしまう」は確かにありそうですね。神経質を活かして四方八方に気を配れるようになれば、「留守」はなくなるものと思います。

四分先生、お返事を有難うございます。

>「神経質を活かして四方八方に気を配れるようになれば、「留守」はなくなるものと思います」

人生の節々の大事なことなどについて思い返し、考えてみましたが、神経質者の欲張りと心配性から、実際のところは、「留守」にはしていなかった気が致します。

わたくしが残念なのは、神経質者にありがちな、「稚拙なはかりごと」を繰り返し、思想の矛盾に陥って、生の欲望を寝ぼけさせてしまったことですcrying

これから取り返したいですhappy02

たらふく様

 私自身、過去を振り返れば、「はかりごと」のために「生の欲望」を空転させてしまっていました。しかし、遅きに失する、ということはありません。大いに欲張っていきましょう!

 先生、こんばんは。

 ご紹介の国語の教材はなかなか面白いと思います。小4にしては高度だなあと感心してしまいました。

 私も、ごく些細な事にこだわってしまう性質です・・今も仕事をしていて、それ程悩むことではないんだろうとは思っても、こだわり続け完徹になってしまいました(始めるまでグズグズしすぎたのもありますが・・)

 そして、「アップ」で物事を見過ぎる傾向は、人との付き合いにも出ることがあるので、これは気をつけなければと思っています。気になることをされたり言われたりされたりすると、嫌い!となってしまいやすいのですが、これは損します。ほんと、「ルーズ」の視点が必要です。

 「遅きに失する、ということはありません」の一言に勇気百倍です。今日も、のろまなりに欲張っていくぞ! 

teardrops様

 コメントいただきありがとうございます。

 そうですね。人間関係でも「アップ」で見過ぎないことが大切です。カチンと来た時には「ルーズ」の視点に切り替えてみれば、いやだと思った人のいいところが見えてきたりします。

 神経質はスロースターターです。出足が遅いのが特徴ですが、一旦動き始めれば辛抱強く長続きします。「ウサギと亀」の亀さんです(笑)。

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