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2012年3月 5日 (月)

神経質礼賛 762.可能性

 先日NHKのBS「私が子供だった頃」という番組で漫画家の松本零士さんをやっていたので録画して見た。この番組は著名人の子供時代を本人のインタビューを交えながらドラマで再現したものである。2、3年前に一度放送されたものらしい。

松本少年の父親は陸軍の優秀なパイロットだった。教官として指導した若者たちは特攻隊として散っていき、同僚や部下たちも戦死し、一人だけ生還した。それについて非難されても一切言い訳はしなかった。多くの元パイロットたちが自衛隊に再就職する中、パイロットとしての人生を捨てて慣れない野菜の行商などで糊口をしのいだ。松本少年はそんな父親を誇りに思い、空や宇宙への関心を深めた。サムライ精神を持ち独立独歩のキャプテン・ハーロックは父親がモデルだという。やがて松本少年は漫画で身を立てる決心をし、夜汽車で東京へと旅立つ。銀河鉄道999の主人公・鉄郎は松本少年自身でもあった。インタビューの最後に松本さんは「今考えると貧乏だった少年の日々・旅立ちの時がユートピアだったんですね。どうなるかわからないけれど無限大の可能性があって、時間という無限大の宝物があった。できることならもう一回あの年代に戻りたい」と言っておられた。

  松本漫画には四畳半ものと呼ばれる特異なジャンルがあって、「男おいどん」(少年マガジン連載1971-73)は私も愛読した。青雲の志を抱いて上京するも、仕事は何をやってもクビ、夜学は授業料が払えず頓挫、ボロ下宿の家賃は滞納し食べる物にも事欠く惨めな生活を送る主人公のおいどんこと大山昇太もまた若い頃の松本さんの分身である。おいどんがアルバイトに行く先々でそこの主人が「おれももう一度あんたくらいの年になりたい」とか「あんたはいいよ。まだ若いから」と語る場面が何度か出てくる。おいどんは、社会的にある程度成功している人たちのその言葉が理解できず、「そら、ムリばいねー」とつぶやく。

 

  年だけは誰もが平等にとっていく。若ければ将来の可能性はいくらでもあるけれども年を取るにつれ可能性は狭まってくる。あと10歳、20歳若かったら、と誰も内心思うものだが、それは実現不可能である。けれども生きていれば必ず何がしかの望みはあるものだ。松本さんは現在74歳。漫画やアニメの仕事を続け、新たな可能性に挑戦しておられる。

  年を取って、たとえ重大な病気を抱えても、不遇に見舞われても、できることはある。生きている限り可能性はゼロにはならない。私たち神経質人間は心身の不調やら境遇やら、ついグチをこぼしてしまいがちだが、よりよく生きたいという生の欲望を発揮していけばいくらでもやることはある。そしてその行動を重ねることが「日々是好日」なのではないだろうか。

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コメント

サルマタケやラーメンライスが懐かしいですhappy01
ラーメンライスは普通にはやっていましたし、噂では、カレーライスやチャーハンをおかずにして飯を食う、カレーライスライスヤチャーハンライスもあったそうです。
 おいどんは何やかや言っても、美女が出てきてイイ思いをしていましたね(笑)

たらふく様

 コメントいただきありがとうございます。

 そうですね。生卵入のラーメンライスがよく出てきました。サルマタケは不味かったようです。

 確かにおいどんは意外に美女たちにモテていました。それにひきかえ私はモテ期なしの人生です(笑)。

 おいどん君の自意識過剰なところは神経質人間とりわけ対人恐怖の人にみられる心理だろうなと思っています。

キャプテンハーロックで ウェーブ 画像プログ検索中です。キャプテンハーロック全1巻と思っていました。全5巻だったんですね。記憶違いでした。
漫画同好会(名前検討中  松本零士を語る会

謎の三文字 様

 コメントいただきありがとうございます。

 もしかすると、いくつかの別バージョンがあるのかもしれません。私の実家に残っているものは、最初に弟が買って、続きを私が買い足したものです。神経質ゆえ、最後までつい揃えたくなる、というところを弟に利用されたのでしょう(笑)。でも、ハーロックの話は結局終わりがないようなものですね。

海賊の漫画 映画 子供の頃 見ていました。今 ワンピースが 大流行かなぁ。
おもしろいけれど 海賊という設定も どうかなぁなんて 思います。ルパン3世も
おもしろいけれど 泥棒。そんなこと 重いながら子供の頃 それなりに 楽しんだ娯楽かなぁ?アニメ同好会(名前検討中

謎の三文字 様

 キャプテンハーロックもルパン3世と同様に「アンチヒーロー」と考えてよいだろうと思います。

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