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2012年3月19日 (月)

神経質礼賛 766.怒りっぽい性格

 世の中には古今東西を問わず、短気で怒りっぽい性格の人がいる。性格の根本の気質は生来つまり遺伝的に決まる部分が小さくないと考えられている。

古代ギリシア時代、医学の父ヒポクラテス(紀元前400年頃)は、人間の体は地・水・火・風の四元素から成り、体内には湿温の性質を持つ血液、冷湿の性質を持つ粘液、湿乾の性質を持つ黄胆、冷乾の性質を持つ黒胆の四つの体液が存在すると考えた。この体液病理説を基に、ローマ帝国時代にガレヌス(129-200年頃)は偏った気質は特定の体液が優勢になるためだとした。血液が多い多血質では感情的・気分易変となり、粘液が多い粘液質では鈍感となり、黄胆が強い胆汁質では精力的で客観的、黒胆が強い黒胆汁質では憂鬱で主観的であるとした。この四気質説は長く受け継がれた。短気で怒りっぽく攻撃的なのは胆汁質とされていた。今ではこうした考え方は否定されているが、性格類型のもとになったと言える。

現在でも用いられる気質の分類の中で粘着気質(てんかん気質とも呼ばれる)では几帳面で熱中しやすく回りくどい一方、興奮・立腹しやすい爆発性を持っている。ちょっとからかわれただけで剣を抜いたり、言う事を聞かない楽団員に怒ってカツラを投げつけたりした大作曲家のJ.S.バッハは粘着器質の典型だと思われる。

神経質人間であっても短気で怒りっぽいことがある。自分に対しても他人に対しても厳しい神経質人間は無神経な行動をする人にはかなりカチンとくるのだ。実は私もそうであり、どうも怒りの沸点が低くていけないなあと反省している。

 以前、怒りの解消法(247話)、感情の法則と90秒ルールについて書いている(442)。そこでも紹介した「感情の法則」についてもう一度復習してみよう。

 常識養成の根本とする処は広くいはゞ即ち心身の訓練にして狭くいはゞ即ち感情の修練なり。されば先づ感情の特性に就て考ふるに

一、感情は常に同一の強さを以て永く持続するものにあらず、之を放任すれば自然に消失す。

二、感情は之が行動に変化すれば消失す。

三、感情は之を表出するに従ひ益々強盛となる。ランゲは吾人は悲しき為に泣くに非ず。泣くが為に悲しきなりといへり。

四、感情は之に慣るゝに従ひて鈍くなる。(白揚社:森田正馬全集 第7巻 p.555

 

 感情は時間が経てば薄れて消失していく。感情を露わにしたらますます感情は強まってしまう。感情を消そうとせずにやるべき仕事をしていれば結果的には早く消失していく。そういったことを森田先生は教えておられる。この法則は神経質以外の人ばかりでなく誰にでもあてはまることである。怒りを感じた時には、人や物に当たりたくもなるけれども、そうしたら、ますます腹が立ってくる。当り散らすのはやめておき、ちょっとトイレにでも行って頭を冷やしてくる、あるいはお茶を一口飲んでくる、というワンテンポ置くだけで怒りにまつわる脳内の神経伝達物質のピークは過ぎる。それからやるべき仕事にとりかかっていく。時間が経てばいつもの自分に戻っている。

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コメント

<誤記訂正>

 最後の段落

×「神経質以外の人ばかりでなく」
   ↓
○「神経質の人ばかりでなく」

 です。神経質が足りなくてすみませんでした。

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