神経質礼賛 830.ミツバチ
9月20日付読売新聞に興味深い記事があった。ミツバチ飼育が「癒される」ということで不思議と人気なのだそうだ。飼っている人の話では「使命を全うしようとする姿が健気」「コツコツ蜜を運ぶ小さな姿に力が湧く」「一生懸命なミツバチに元気づけられる」ということで、うつや不眠がよくなったという。アニマルセラピーならぬインセクト(昆虫)セラピーではないか、と報じている。
もっとも、インセクトセラピーとは言っても、昆虫ならば何でも良いというわけにはいかないだろう。多分、他の昆虫ではミツバチのようにはうまくいかないような気がする。飼う昆虫と言えば、カブトムシとかスズムシあたりが思い浮かぶ。子供が小学生の頃、せがまれてカブトムシの飼育セットを買ってきたことがあったが、結局世話は親の仕事だった。夜になると激しく動き回る習性があって、深夜の大きな物音に、癒しどころではなく不眠になってしまった。スズムシは私が子供の頃、父がもらってきて飼っていた。確かに美しい声を披露してくれて秋を感じさせたけれども、秋が深まるにつれて共食い(メスがオスを食べる?)が起きるのはかわいそうな気がした。うつの人がこれを見たらよろしくない。産卵してもふ化はダメで毎年もらってくるということを数年繰り返した記憶がある。
ミツバチを飼っていると蜂蜜のお裾分けをもらえることになるので、これも飼っている人を元気にしてくれそうだ。あの神経質名探偵のシャーロック・ホームズも晩年は引退して養蜂業を営み、麻薬からも足を洗って健康的な生活になったことになっている(485話)。ビルや住宅が立て込んでいる我が家のあたりではミツバチ飼育はとてもムリではあるが、小さなミツバチたちがせっせと蜜を運んで働いている姿を想像しながら蜂蜜をなめて元気をいただくとしよう。
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