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2012年9月14日 (金)

神経質礼賛 826.新しい睡眠薬ルネスタ

 今年、新たに発売となった睡眠薬がある。勤務先の病院でも今月から処方できるようになった。エーザイから発売されたルネスタ(一般名エスゾピクロン)という薬である。実は、従来からあったアモバン(一般名ゾピクロン)という睡眠薬を改良したものである。

 薬の化学構造式が同じでも、光学異性体と言って左手と右手の関係のように立体構造が鏡像関係にある2種類の薬は生体内での働きが異なる場合がある。近年は光学分割といって、薬として副作用が少なく有効な一方だけを選んで新しい薬を作る技術が進んでいる。抗菌剤のタリビッド→クラビット、抗アレルギー剤のジルテック→ザイザルという改良も同様である。アモバンでは服用後に長時間にわたり口中に苦みが残りやすかったが、ルネスタでは軽減されているという。また、アモバンは超短時間型睡眠薬であり、血中半減期はよく使われる7.5mg錠で3.66時間、最大用量10mg錠で3.94時間であり、少し短すぎるきらいがあった。ルネスタは短時間型睡眠薬に分類され、血中半減期は通常用いられる2mg錠で5.08時間、3mg錠で5.16時間と短過ぎず長過ぎない特性を持っている。ちなみに短時間型睡眠薬の代表選手と言えるレンドルミンは半減期約7時間である。

 ルネスタは依存性、翌日への持越しといった問題が認められず、長期投与による耐性形成、投与離脱時のリバウンドも認められないということで、2005年から発売されているアメリカでは睡眠薬としては初めて投与期間制限なしで処方可能となった薬剤である。 

とはいえ、他の睡眠薬と同様、重症筋無力症の人や急性狭隅角緑内障の人への投与は禁忌である。そして服薬後のもうろう状態や夢遊症状、一過性健忘は起こりうる。やはり精神病でなければ常用するのは感心しない。どうしても困った時の頓服にとどめた方がベターである。

特に神経症性不眠の場合は「自分は一睡もしていない」と思ってもどこかで眠っていて帳尻が合っているのだから、森田正馬先生が言われたように「眠りは与えられただけとる」・・・自分から求めて眠ろうとせず決まった7-8時間臥床していれば眠れようが眠れまいが問題ではない・・・という対応がベストである。

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