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2012年11月 5日 (月)

神経質礼賛 843.勇猛果敢な神経質武将・加藤清正

 当ブログでは、神経質な歴史上の人物を数多く取り上げてきた。日本の武将では源頼朝(769)、楠木正成(362363話)、武田信玄(729話)、徳川家康(11209話)について書いた。いずれも、勇猛果敢というよりは思慮深い智将であり、内政に長けていたという共通点がある。しかし、今回取り上げる加藤清正(1562-1611)は槍の名手として有名であり、豊臣秀吉から「賤ケ岳の七本槍」と賞賛され、「虎退治」の伝説まである。秀吉の家臣の中では福島正則と並んで最も武勇の誉れが高い人物だった。その一方で、他の神経質武将たちと同様、高い内政能力を示し、治水や商業政策で手腕を振るった。熊本城築城や治水の土木技術は極めて高度なものだった。今に生まれていたら理系人間、特に建築工学や土木工学のエキスパートになっていたかもしれない。なお、築城や治水のための工事に農民を動員するのは、主に農閑期に行い、きっちり給金を払っていたから、農民たちには歓迎されていた。

 清正が神経質だったことをうかがわせるエピソードがいくつかある。いつも腰には米3升と味噌と銀銭300文を付けていた。いつ戦いになってもいいように準備していたわけで、家臣たちもそれを見習ったそうである。清正は身長190cmの大男だったが、これだけのものを身に着けていたらさぞ重かったろう。朝鮮出兵の時には、もち米・水あめ・砂糖から作った「長生飴」を非常食として用意した。それは、のちに熊本銘菓「朝鮮飴」になったという。

 1024NHK放送の「歴史秘話ヒストリア」は熊本城がテーマだった。築城の名人・加藤清正の最高傑作かつ史上最強の城である。幾重もの堀、登るに従って角度が急になる高い石垣、巨大な天守、そして門を破って侵入した敵を足止めして周囲から攻撃する「枡形(ますがた)」は通常1、2箇所なのに熊本城では最大5箇所も準備されていた。籠城戦に備えて井戸は120箇所もあり、畳の中や壁には保存食となるものが備蓄されていた。清正はかつて籠城戦で苦戦し、あわや全滅の危機を味わったからだと言われる。このあたりは、過去の失敗にこだわり、失敗を恐れて徹底的に準備する神経質ならではである。番組では加藤清正の性格を「几帳面で心配性だった」としていた。天下の名城・熊本城は実は神経質の産物だったのである。

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コメント

歴史に名だたる大人物と比較するのは気恥ずかしい限りではありますが、こんな几帳面で心配性の人たちの事を知ると、つくずく自分はざっとした人間だな、と良くも悪くも思います。
加藤清正公は熊本ゆかりの武将ではありますが、尾張名古屋生まれだということを、今回のお話を読んだ後、ちょっと調べて、知りました。
ところで、熊本では几帳面な人のことを、「ねんしゃじん」、きちんと丁寧にするこを、「ねんしゃにする」といいます。
清正公さんは、ねんしゃじんだったんでしょうね。
ちなみに、「ねんしゃじん」に対する言葉は、「ざっとしゃ」です。
では、また。

hagino様

 コメントいただきありがとうございます。

 清正公は尾張の出身ですが、あまりそれは話題になりませんね。熊本の人々には大変慕われているようです。
 hagino様も本当は「ねんしゃじん」なのではないかと思います。神経質が「自分はずぼらだ」と思うことはよくあることです。

 先生、こんばんは。

 加藤清正の「いつも腰には米3升と味噌と銀銭300文」のエピソードには驚いてしまいます。すごい神経質。そしてタフですね~。常に臨戦態勢だったのでしょうか。

 むろん清正にはかないませんが、私も「失敗を恐れ徹底的に準備する」という性質です。清正はそれが熊本城のような仕事に結晶して、私の場合は神経症となってしまう。どこで分かれるのだろう・・半端なのかな・・と天下の武将・清正と自分を比べちゃっています!でも、私、つい先日「あなたみたいな人が(宙に浮いた年金の)一件を解決するんだよ」と先輩に(お世辞もあるでしょうが)褒めてもらいました。ドギマギしましたが、ときに恐怖でフリーズしそうになりながらやっていた仕事が評価され、一人前の仕事をしたんだと思うと嬉しさで一杯になりました。

 先生、11月の17日、18日と連続の当直ですか!しかも、その合間に学会へ参加される予定とは大変ですね。知っているお医者様たちを見ても、医者って激務だなぁと思います。いつ寝てるんだろう、と思うときがあります。長い休みは取れないし。でも、不思議とどの先生もエネルギーたっぷりです。やはり心身の健康管理がお上手なのだろう、と想像しています。

anxiety様

 コメントいただきありがとうございます。

 失敗を恐れ徹底的に準備する、という神経質らしさは、普段のお仕事でも役立っているだろうと思います。目に見えた成果にはなっていなくても、普通の人ならば失敗して大事件になっているはずの危機を神経質の力でクリアしていたこともあったはずです。

 先週末に森田療法学会のプログラム・抄録集が送られてきました。17日午前のシンポジウム「認知行動療法最前線と森田療法の対話」は聞けるだろうと思っています。
 医師の方々の多くはパワフルですが、私は弱力性(笑)ですので、省エネ運転です。四分休符どころか二分休符がよく入ります。

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