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2012年11月 2日 (金)

神経質礼賛 842.そうだ嬉しいんだ 生きる喜び たとえ胸の傷がいたんでも

 いつも通勤途中に横を通るお寺(華陽院)の掲示板の言葉が新しくなっていた。ここの住職さんはあまり神経質ではないとみえて、2、3週で変えることもあれば半年くらいそのままのこともあるが、いろいろなジャンルから引っ張ってきた言葉が出るのでとても面白い。今回はアンパンマンの生みの親、やなせたかしさんの言葉である。


そうだ嬉しいんだ 生きる喜び 

たとえ胸の傷がいたんでも

       やなせたかし


 
 この言葉からすぐ連想した歌がある。子どもの頃に聞いたり歌ったりした、NHK「みんなのうた」で歌われていた「手のひらを太陽に」だ。調べてみたら、やはり、やなせさんの作詞(いずみたく作曲)だった。歌詞の一番では「生きているから歌うんだ」「生きているからかなしいんだ」、二番では、「生きているから笑うんだ」「生きているからうれしいんだ」となっている。生きていれば喜びもあるけれども、悲しいことや苦しいことからも逃れられない。森田正馬先生の言葉「苦楽共存」のように、苦楽は表裏一体のものなのである。なお、やなせさんの郷里・高知県香美郡は、森田先生の出身地でもある。


 
 神経質人間は、よりよく生きたい、という生の欲望が人一倍強いのであるが、それゆえ死の恐怖にも敏感である。そして、苦痛をさけて楽々と目的を達したい、と虫のいいことを考えがちである。森田先生は次のように言っておられる。


 
 「死ぬるは恐ろしい。生きるのは苦しい」。言い換えれば、「死を恐れないで、人生の思うままの目的を、楽々とし遂げたい」という事になる。これが神経質の特徴であって、無理にも、自然に反抗しようとする態度になり、死は当然恐ろしい。大なる希望には、大なる苦痛・困難があると、極めて簡単な事を覚悟しさえすれば、それだけで神経質の症状は、強迫観念でもなんでも、すべて消失するのである。既に神経質の全治した人には、これが簡単に理解できるが、まだ治らない人には、全く嘘のような法螺(ホラ)のような話である。(白揚社:森田正馬全集 第5巻 p.183


 
 対人恐怖、不安発作、強迫観念などの症状に苦しんでいる時には症状のことばかりで頭が一杯になっている。そして、苦しみから逃れようとやるべき行動を回避していては、ますます「とらわれ」が強くなって症状は強まるばかりである。まずは苦しいままに行動してみる。やればできる。それを重ねていくうちに、いつしか症状を忘れるようになってくるし、生きる喜びを実感する時が必ずやってくる。

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コメント

こんにちは。
目につくのは、爽やかな笑顔で日常をスイスイと進んでいるような人たちばかり。
どうして、自分だけこんなみじめなんだろうと疎外感、周囲との温度差を感じることが多々あります。
今日のお話は、傷を恐れながらも、私も笑顔で与えられた仕事を坦々とやっていこう、という前向きの気持ちにしてくれました。

先生、こんばんは。

アンパンマンのテーマソングに、今回の言葉がでてきます。

娘が一番最初に覚えたうたが、まさに今回の言葉です。娘と保育園からの帰り道よく歌っていて、仕事をして育児を疎かにしているのではないか、でも仕事も責任を持ちたいという葛藤の中、娘のためというよりは自分を奮い立たせるために歌っていたのを思い出しました。

なんだか、ありがとうございます。
初心、忘れるべからずです。

hagino様

 コメントいただきありがとうございます。

 私もちょっとしたことで凹みやすいので、そういう時には自分ばかりダメだ、他の人たちは苦もなくこなしている、という「差別観」、つまり神経質のヒネクレに陥りやすいと反省しています。しかし、実際には誰もが苦しみながら生きているわけでして、そうした中に喜びも楽しみもあるのです。「平等観」で物事を見直してみれば、善悪不離 苦楽共存(200話)ということもよくわかりますね。

 

アッシュ様

 コメントいただきありがとうございます。

 そうですか。アンパンマンのテーマ曲の中にあった言葉でしたか。教えていただきありがとうございます。
 責任を持って仕事をしっかりやりたい。そして育児もきちんとしたい。本当によく奮闘しておられたのですね。でも、実際には誰しも片方だけでも完璧はありえません。アッシュ様がここまでやってこれたことは十分誇りに思われてよいのではないでしょうか。
 お嬢さんも幸せです。お母さんと保育園の帰りにアンパンマンの歌を一緒に歌いながら家に帰れたのですから。多分、お嬢さんが大きくなって、ピンチに直面したような時には心の中にアンパンマンが現れて助けてくれるものと思います。

 「一姫二太郎」で慰めていただいたものです。久しぶりにガクンと落ちてしまいましたが、もう大丈夫です。

 私は、森田療法を信頼しています。そして、それを語られる先生の言葉が好きです。今日はよく眠れそうです。      合掌
 

 コメントいただきありがとうございます。

 私もそうですが、神経質は実に悲観上手ですね。しかし、それは、悪いことではありません。よりよく生きたいという強い「生の欲望」つまり向上心があるからこそなのです。自分はダメだと思いながらも這い上がろうと努力するわけです。森田先生の言葉を記しておきましょう。

 「自分は頭が悪い、読書が少しもできぬ」と苦しむ人が、学校成績は一番になったりする事もあるように、およそ神経質は、何事につけても、いわゆる劣等感で、自分の悪い方面ばかりを考えるものであるから、事実においては、神経質は常に善良優秀なる人であるべきである。これがすなわち我々が、神経質に生まれたという事を感謝すべき事柄であります。これに反して、ヒステリーとか・意志薄弱性素質とかの人は、常に自分のよい面ばかりを考えて、独り得意になっているから、丁度神経質と反対になります。(白揚社:森田正馬全集第5巻 p.432-433)

「そうだ嬉しいんだ 生きる喜び
 たとえ胸の傷がいたんでも」

たまたま流れていたアンパンマンの主題歌で
この歌詞を耳にしたとき、メロディー(三木たかしさん)の美しさと相まって、
深く心を打たれましたflairshine

悩める人をしっかりと受けとめる、偉大な生の肯定の歌だと思います。

悩みや心配事などで視界が真っ暗になり、
頭でっかちの "思想の矛盾" が始まると、
アッサリ絶望の淵に追い込まれてしまいます。

言葉のやりくりで停滞するより、
いま現在の必要に応じて行動する中で、
さまざまな "気づき" に出会い,
本来の "生の欲望" が発動してきます。

森田先生や、やなせさんのような達人の言葉は
ズバリ効きますですねhappy01

たらふく様

 コメントいただきありがとうございます。

 たらふく様もアンパンマンの主題歌を御存知でしたか。私は覚えていませんので、図書館のCDコーナーを物色してみます(笑)。
 こういう素晴らしい言葉をアニメを通じて子供たちに教えてくれることはとてもよいことですね。

 苦しみながらも行動しているうちにやがては喜びと出会う。さらには苦しいとか苦しくないとかを超越するようになってくるものと思います。

四分先生:

すでにご覧かもしれませんが
YouTube で見ることができます。

https://www.youtube.com/watch?v=BUGh-7Y5kZA

今回の記事で出てきた部分もそうですが、
歌詞の全体が本当に素晴らしく
この歌はとても人気が高いようです。

たらふく様

 早速、YouTubeのアドレスを教えていただきありがとうございます。旋律は耳にしたことがありますが、歌詞を全部聞いたのは初めてです。なかなか深い!とてもいい歌詞です。大勢の子供たちに楽しみながらぜひ歌ってほしいと思います。1番の歌詞の中に「今を生きる」という森田療法を表す言葉まで入っていますね。本文中にやなせさんの郷里が森田先生の出身地ということを書きましたが、何か不思議な縁を感じます。

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