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2012年12月24日 (月)

神経質礼賛 858.富士と不死

 長期予報を見ると、この冬は例年同等あるいはやや寒めの予報となっている。12月に入ってからは寒さが厳しい日があって、富士山の雪も例年より少し多いような気がする。三島から見える富士山は正面中央に宝永火口があるため、夏場は大きな口を開けているように見えてしまい、私は秘かに「あくび富士」と呼んでいる。しかし、冬になって白雪をかぶれば、一転して引き締まった顔つきになる。


 
 富士山は竹取物語に登場する。月に帰る直前のかぐや姫から贈られた不老不死の薬と手紙を帝は富士山で焼かせた。富士には不二、不死という意味を含んでいる。古来、人類は不死の薬を求めてきたが、再生医療の研究が盛んになった現在でもそれは実現していない。ベニクラゲのように、老いても赤ちゃん状態に戻れるというわけにはいかない。


 
 「蟻の如くに集まりて、東西に急ぎ、南北に走る」で始まる徒然草74段には「身を養いて何事をか待つ。期する処、ただ老と死とにあり」と厳しい言葉が書いてある。仏教の世界観から言えば、欲を張ってジタバタすることを戒めることになるけれども、森田正馬先生は特に晩年になると「生の欲望」を強く肯定されるようになった。


 
 我々は貝を拾っても、砂の池を掘っても、その現在においては、一生懸命に働いて、滅びるとか、なくなるとかいう観念を超越している。これが執着である。この執着が、実は動かすべからざる我々の本来性であり、人間の事実である。ただしこの執着の強いものが神経質であり、弱くて呑気なものが、意志薄弱者であるのである。(白揚社:森田正馬全集 第5巻 p.325


 
 神経質人間は生の欲望が人一倍強いがためにそれと表裏一体である死の恐怖にさいなまれやすい。死の恐怖に根ざした不安は時には神経症の症状として現れることもある。しかしながら生の欲望に沿って一生懸命に働いている瞬間は不死なのである。蟻の如くでいいから生の欲望をエネルギー源として生き尽くしていきたい。

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コメント

 先生、こんばんは。今日、こちらは積もってはいませんが雪が降りました。ちょっとだけホワイトクリスマスです。明日以降も雪がつづくらしいです。

 富士山の写真、スカッとします。そして、「あくび富士」はお見事です!のどかで、おおらかで、とても楽しい。

 私は、ここ2,3日ちょっと難しい仕事に挑戦しています。依頼してくれた人のために、その先の人のために、なんとか年内に完了しようと、ハラハラドキドキしながら、素直に我慢しながらやっています。

 それでは先生、今年一年の感謝を込めて、メリークリスマス♪
 

anxiety様

 「あくび富士」はちょっと不謹慎なネーミングかとは思いましが(笑)、御支持いただきありがとうございます。

 「依頼してくれた人のため、その先の人のため」というところが実にいいです。難しい仕事が終わったら、御自分に御褒美ですね。

先生、こんばんは。 私の父は子供をからかうのが好きで、宝永火山の火口は飛行機が落ちて空いた穴だと言いました。素直に信じた私は大人になって真実を知り、父に友人に話したら笑われたよと言ったら、本当に信じたんだと言われました。今では孫がからかわれています。
富士山のあくびは可愛い表現ですね。寒い季節も微笑ましく富士山を見れます。

蟻と働くから連想してしまうのは、絵本のアリとキリギリスのお話。私は、コツコツ働くアリになりたいと思いました。地味でも笑って暮らせるお婆ちゃんになりたいです。

ヒロマンマ様

 コメントいただきありがとうございます。

 宝永火口を飛行機が落ちた穴と言われたお父様はちょっとひょうきんな方だったのでしょうか。それを信じるところが、ヒロマンマ様の真面目で素直なところかと思います。

 要領よく生きられないけれども、アリさんでありたいですね。

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