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2012年12月10日 (月)

神経質礼賛 853.加藤清正のリスク管理

先月の記事(843話)に勇猛で名高い戦国武将の加藤清正が神経質だったことを書いた。その後に読んだ「大塚薬報」という雑誌に連載読物「戦国時代千夜一夜」(山崎光男著)という貝原益軒(605)が筑前国福岡藩主の黒田光之に語る形で書かれたものがあって、11月号の第9回は加藤清正のことが書かれていたので紹介してみたい。

 肥後の国を治めていた清正は、ある時、家臣から米の運搬に関する提案を受けた。大坂まで米を船で運ぶ運賃は藩内の業者に委託するよりも讃岐の国の業者に頼んだ方が安いので、業者を変えれば運賃の節約になる、というものだった。ところが、清正は、その考えは確かに一理あるが、それには賛成できない、と述べた。藩内の船を使わなくなれば、船が減少してしまう、そんな時に戦が起きたら、輸送に事欠くことになる、というのが理由である。そして、その家臣に対して「そのほうが申す運賃の節減は眼前の小利に過ぎない。これは他日の大事を思えば害というものだ」と言ったという。

 加藤清正は神経質らしいリスク管理をしていた、と言えるだろう。昨今はコスト削減のためにモノ作りの拠点を海外に移しているため、国内産業の空洞化が問題となっている。そして、中国で反日デモが起きて工場の操業停止に陥ったり、タイで工業団地が洪水被害にあったりした時には生産は完全ストップし、復旧には長い期間がかかっている。自動車業界では部品を共通化し、コストが安い国で生産した結果、不具合が出て一度に多くの車種で大量のリコールが発生するといったことも起きている。「眼前の小利を追及するあまり、他日の大事に対応できない」のが現状の日本である。リスク管理を加藤清正から学ぶ必要があるのではないだろうか。

 

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