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2013年1月25日 (金)

神経質礼賛 868.「さっさと死ねるように」発言

 放言問題をたびたび起こしてきた元総理のA副総理が21日の社会保障制度改革国民会議でまたまた物議をかもす発言である。終末期医療の患者を「チューブの人間」と表現し、「政府の金で延命治療をやってもらうなんてますます寝覚めが悪い。さっさと死ねるようにしてもらわないと解決しない」と発言した。後になって記者団に釈明し、「公の場で発言したのは適当でない面もあった。撤回し、議事録から削除するよう申し入れる」とコメントしたという。

 これを聞いて、終末期医療を受けている患者さんやその家族はどう感じるだろうか。「チューブの人間」になりたくてなっているわけではない。本人・家族・医療関係者とも悩みながら苦渋の選択しているのだ。A副総理は「私はそういう(終末医療は)必要ない、さっさと死ぬんだからと(遺書を)書いて渡してある」そうだが、御自身だって状況によっては「チューブの人間」になるかもしれないのである。

確かに、「胃ろう」は反省期に入っている。限られた医療費の使い方も考える必要があるだろう。しかし、この発言は、国にとって役に立たない人間は死んでもらう、という発想そのものではなかろうか。障害者を「生きるに値しない生命」として「安楽死計画」を推進したナチスを思い起こさせる。弱い立場の人を思いやることができない政治家は、さっさと引退してもらわないと困る、という言葉を返したい。


 
 知性と品性が欠如し神経質が足りない政治屋の発言ではあるが、人のふり見てわがふりなおせ、である。我々神経質人間も神経質を生かせないでいると、自己中心的で思いやりに欠けることがあるので、気を付けなくてはならない。631話に書いたが、森田正馬先生は患者さんの指導の際によく次の句を引き合いに出された。


 
 雪の日や あれも人の子 樽拾い  安藤信友(冠里)


 
 人はまず誰でも腹がへれば食いたい、目上の人の前では恥ずかしい。これを平等観という。「雪の日や、あれも人の子樽拾い」という時に、たとえ酒屋の小僧でも、寒い時には苦しいと観ずるのを平等観というのであります。それを自分は寒がりであり、恥ずかしがりやであるから、自分は特別苦しいというのを差別観という。この差別をいよいよ強く言い立てて、他人との間に障壁を高くする時に、ますます人と妥協ができなくなり、強迫観念はしだいに増悪するのである。 (白揚社:森田正馬全集 第5巻 p.40


 
 時々この句を思い出して、自己中心的な差別観に陥っていないかどうか、反省してみる必要がある。

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コメント

自民の麻生氏があの地位にある事が問題でしょう日本国全体の問題だと思います、あの方の口がすべて災いの元にならなければと口元みるたび懸念いたします、政治家は政治屋の前に人間でなければ政治家ではありません力を見せつける政治は如何なものでしょう?

麻生氏の発言は自分の心の根底に差別観があるために本音がつい口をついて出たものだと思います。公の場で政府高官が発言して良い言葉では決してありません。それを言い訳がましく自分の死生観だという風に矮小化してしまうのは卑怯だと言わざるを得ません。
マスコミや野党もこの問題を大きく取り上げていませんが、これこそ問題として追及してほしいものです。
苦労を知らない人は心の根底に人間に対する労りや優しさの心が足りないのかもしれませんね。

けんじ様

 コメントいただきありがとうございます。

 おっしゃる通り、口は災いのもと。国内ではあまり問題になりませんが、海外で放言をして国難を招くことになったら大変です。

スローライフ様

 コメントいただきありがとうございます。

 今回の放言は、なぜかマスコミも追求していませんが、政治家としてはレッドカードものだと思います。
 苦労知らずのお坊ちゃんの中にも「いい人」はいるものなのですが、A副総理の場合は自己愛が極めて強い人格に問題があるのでしょう。

そのような発言があったのですか。ちょっとびっくりいたしました。神経症で不幸のどん底にいた時は自分で自分を生きる価値が無いものと思っていましたので、そういう状況の時に副総理のような方からそのようなことを聞いたらと思うとぞっといたします。しかし、苦労をしたら人の苦労が分かると言うのも振り返って身にしみますが、しかし、それも人それぞれ人生観によるものだと思います。苦労知らずでも思いやりある人もいれば、苦労を重ねて世をすねてテロなんかを起こす人もいると思います。我々神経質人は、「雪の日や あれも人の子 樽拾い」を肝に銘じておきたいものですね。

神経質様

 コメントいただきありがとうございます。

 「艱難汝を玉にす」の言葉通り、苦労を重ねて人間的に成長する人が多い反面、おっしゃるようにヒネクレてしまう人もいますね。
 小心者の神経質人間は人がどう思うか心配するので、人を傷つけるような放言をするおそれは少ないかと思います。ただし、SSRIや抗不安薬を服用して気が大きくなっていたり抑制が取れてしまっている場合は不用意な発言で対人トラブルを招くことがあるので要注意です。

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