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2013年1月 4日 (金)

神経質礼賛 862.形外会のお正月

 月1回、森田正馬先生のところで患者さんや雑誌「神経質」の読者を集めて行われていた形外会は、座談会だけではなく、参加者の余興を楽しんだり、時にはピクニックや旅行に出かけたりすることもあった。昭和81月の第29回形外会では新年会の余興が行われた記録がある(白揚社:森田正馬全集第5巻p.293-302)。

一 桂米丸氏の落語「ネギマの殿様」

二 森田大尉の首くくりの芸

三 山野井氏の童謡

四 長谷川・末政両氏のお国自慢安来節

五 清正と母と虎のはち合わせ遊び

六 職業当て遊戯

七 森田先生の綱渡り曲芸

八 大詰・赤面恐怖一座・滑稽劇「三方一両損」


 
 五はじゃんけんのようなものだが、舞台の中央に衝立を置き、両側に紙で作った兜と杖がおいてあり、両側に一人ずつ隠れ、合図とともに顔を出す。兜をかぶっていれば清正、杖を持てば母、四つん這いならば虎というわけである。清正は虎に勝ち、虎は母に勝ち、母は清正に勝、というわけである。これは意外にも面白かったらしく、参加希望者が続出したという。

 六は二名がそれぞれ背中に職業を書いた紙を貼り、相手の無言の身振りから自分に貼られた職業を言い当てるものだ。「森田先生」と書いたものがあってウケたようだ。

 七では森田先生がちょんまげの鬘をかぶり、黒紋付き赤たすき日傘をさし、口上と曲芸を一人でされたという。綱渡りを真似て畳の上でのジェスチャーである。これは拍手喝采だったそうだ。

 八は水谷啓二さん(生活の発見会創始者)の企画によるもので、神経質らしく、台本までしっかり記録されている。「寒い風が吹きやがる。面は、ほてりやがって、足はブルブル震えやがって、まるで赤面恐怖みたいじゃねえか」なんていうセリフまであった。


 
 まじめな神経質人間はどうしても面白味に欠ける面があると思われがちだが、自分が恥ずかしいとか馬鹿だと思われはしないか、という心配はさておいて、人に喜んでもらいたいという気持ちで創意工夫をこらせば、すばらしい芸ができるものである。そして、それを森田先生が自ら示しておられたのだ。この形外会は、一般的には退院者のアフターケアとも言われているが、実は神経質を生かし、よりよく生きるための教育の場、人間形成の場だったと言えるだろうと思う。

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