神経質礼賛 869.高見盛引退
大相撲の人気力士だった高見盛(36)がついに十両から幕下陥落が確定し、引退を表明した。関取の中では旭天鵬に次ぐ高齢力士。満身創痍の体でよくここまで頑張ってきた。最近は「心も体もポンコツだから相撲を取っていることが怖いよ」とか「不安で不安で仕方ないけど、やるしかない」と発言をしていた。それでも、幕下陥落が確定した時点では引退表明せず、きっちり最終日まで相撲を取り続けたのは真面目な高見盛らしい。今場所は10敗していたが、昨日の千秋楽では勝って5勝目を上げ、現役最後の取組を白星で飾った。
当ブログの初期、第5話に高見盛の話を書いている。土俵上で派手なパフォーマンスをしているように思われていたが、実はものすごく気が小さくて緊張しやすい性格なのだ。次の日の取組のことを報道関係者から聞かれると眠れなくなってしまう人でもあった。小さいころからいじめられっ子で、担任の先生から相撲を勧められてどんどん強くなったが、実生活では高校生になっても後輩からいじめられていたという。
全くの相撲一筋だったから、引退後はどうするのだろうかと気になっていた。どうやら部屋付きの親方として後進の指導にあたるようだ。この人だったら弟子に「かわいがり」と称する体罰を加えるようなこともないだろう。小心なままオドオドしながら第二の人生でも活躍してほしいものである。
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先生、こんばんは。
私もすごく小心で、緊張しやすく、気分が下がりやすいのですが、声が大きく、ちょっと早口で、人なつこいところがあるので、周りの人の評価は「いつも元気ね」ということになってしまいます。
今の職業に就いたとき、私も「第二の人生」のつもりでした。そして、新しい自分になろう、とどこかで夢見ちゃったかもしれません。でも、つまづいてしまいました。今は、小心なまま行くしかないのだと思っています。
投稿: anxiety | 2013年1月29日 (火) 06時13分
anxiety様
コメントいただきありがとうございます。
高見盛さんはロボコップなんて仇名されていましたけれども、土俵に上がった時の奇妙な動きはひるむ心をを奮い立たせるための儀式だったようです。でも、そのぎこちない動作がウケてしまって人気者になったのですからわからないものです。
神経質人間は「自分はこれではダメだ。変えなくては」と思いがちですが、周囲の人の評価は意外と高いものなのです。小心なまま、オドオドしながらでいいのです。今のままが一番です。
投稿: 四分休符 | 2013年1月30日 (水) 21時57分
先生、こんばんは。
今日、嬉しいことがありました。かつて、仕事上で、小心ゆえにみすみすトライもせずに逃してしまったチャンスがありました。苦く、痛い経験です。でも、昨夏、同じ分野の仕事にトライすると決め、やり始めていましたが、いよいよそのトライがラストスパートを迎えつつあります。ただ、それは私の頑張りだけでは達成できないという悩みがありました。先輩の協力がどうしても必要なのですが、かなりの負担をかけることになるのでどうなるか心配でした。でも、今日、一番の実力者が「私が引き受けるから、頑張りなさい」と言ってくれました。まだいろいろ難しいことはありますが、私、不安なままに、小心なままに不退転で行きます!
投稿: anxiety | 2013年2月 4日 (月) 21時48分
anxiety様
神経質人間は、何か事を起こそうとすると、ああでもないこうでもない、と逡巡するものです。その末にあきらめてしまうことも多いです。しかし、一旦意を決して行動を始めたら最強です。すでに考えに考えて、いわばシミュレーションをし尽くしているので、考慮不足による失敗は極めて少ないのです。後は、土俵に上がった力士と同じで、理屈は忘れて、相手をよく見て思い切りぶつかっていくだけです!小心なままで大いに結構です。
投稿: 四分休符 | 2013年2月 4日 (月) 22時21分