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2013年6月17日 (月)

神経質礼賛 917.失業しにくい神経質

 就職活動で苦労している学生さんは多い。また、再就職先を探してハローワークに足を運んでいる方々もおられるだろう。今年の夏のボーナスは上昇するなどという景気の良いニュースも流れているけれども、景気回復は容易ではない。しかし、昨今の就職氷河期よりもはるかに就職難の時代があった。昭和初期は1927年の昭和金融恐慌、1929年の世界恐慌などがあって、大学卒の就職率はわずか30%というとんでもない時代だった。1929年公開の小津安二郎監督「大学を出たけれど」という映画が有名になった。そうした時代に森田正馬先生は次のように言っておられる。

さて、また私にときどき起こる感想は、今日失業者の非常に多い世の中に、神経質者がなかなか失業しない事である。

行方君などは、会社を一年半も休んでいる。山野井君でも、随分長い間、会社または店を休んでいる。しかも免職にならないで、会社からよく保護され待遇されている。書痙で全く字の書けないものでさえもこの通りである。この様に会社や店から信用があるというのは、何を意味するのでありましょう。あるいは神経質が地味であり、忠実であるとかいう事が関係するかと思われる。我々は自分が神経質に生まれたという素質に対して、感謝すべきであろうと思われます。

神経質は物に執着する。一度何か目的を定め、あるいは一つの職業につけば、常にこれに未練があって、いろいろ目的を替えたり、職業を転々するという事が少ない。(白揚社:森田正馬全集第5巻 p.139

ちなみに、森田先生が名前を挙げた行方孝吉さんは、書痙のため入院。治ってからは会社の健康増進部に所属するとともに形外会の幹事を務めた。のちに朝日生命社長となり、戦後の新生形外会会長となっている。山野井房一郎さんは、日清製粉社員だったが対人恐怖と書痙のため入院。退院後、会社を辞めようとして先生に叱られ、出社したところ治り、形外会の副会長を務めた。のちに独学で公認会計士の試験に合格し、東京青山に会計事務所を開業。会計学の専門書を20冊ほど著作し、白揚社から『神経質でよかった』(660661話)という本を出した人物である。二人とも自分さえ治ればいいというのではなく、自分の仕事をきっちりこなしながら神経質に悩む人たちにアドバイスをし続けた神経質人間の鑑(かがみ)である。

 就職活動で苦労しても、いつかは何とかなる。神経質は口下手であっても、その誠実な人柄を評価してくれる場所がきっとある。

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コメント

山野井さんはなつかしいですね。新聞の下欄に山野井さんの会計の本が広告されているのよく目にしましたよ。

「神経質礼賛 660」これで検索したら、一発で記事に飛べました。これは使える技ですhappy01

たらふく様

 コメントいただきありがとうございます。

 山野井さんはもし御存命だったらぜひお会いしたかった方です。独立独歩の気概と創意工夫ぶりは神経質人間が学ぶべきところです。それにしても、山野井さんの会計学の本の広告を覚えていらっしゃるのはすごいですね。

 そうです。「神経質礼賛」+「数字」で検索すれば大抵の記事は検索できます。

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