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2013年7月 3日 (水)

神経質礼賛 922.古い梅酒

 実家に古い梅酒があって、以前から持って行ってくれと母から言われていたのだがそのままになっていた。母が入院した際に、梅酒の瓶も一つ持ってきた。「昭和5565日 砂糖300g」というメモが貼られている。今から33年前に漬けられたものだった。ネットには10年前とか20年前の梅酒を飲んでも大丈夫かという質問がよく出てくる。さすがに33年前ともなると、神経質ゆえ飲めるものかどうかちょっと心配になったが、元が35度のホワイトリカーだし、濁りのないキレイな飴色だから多分大丈夫だろうと思って開けてみた。実家から持ってきた漏斗を使ってミネラルウオーターが入っていたペットボトルに移す。梅は形が崩れず残っている。試しに一口食べてみる。漬けた残りの梅は梅ジャムにできるというが、それは面倒なので廃棄処分とした。梅酒の味は悪くない。

 昔は毎年、母が家に成るアンズの実を取ってあんず酒を漬けたり、買ってきた梅で梅酒を漬けたりしていた。正月には父の職場の人たちを招いて新年会をやっていて、この時は父が釣った鮎を燻製にしたものや甘露煮にしたもの、おでんとともに、梅酒やあんず酒が振る舞われていた。昭和55年は因縁の年である。この梅酒が漬けられた直後に父が入院し、5年間の闘病生活を送ることになる。当時大学4年生だった私は急遽Uターン就職した。それからずいぶんいろいろなことがあった。父が亡くなる直前に私は会社員から医大生になった。さらに長い年月が経った。まだ父が亡くなった歳を超えてはいないが、こうしてその時に漬けられた梅酒を飲むことができるのには感謝しなくてはならない。いろいろなことに悩んだけれども、長い目で見ればごく些細なことだったなあ、とつくづく思う。特に若い頃悩んだ対人恐怖や強迫観念は後から考えると何でもないことだった。今でも人前では緊張するし時に強迫観念が湧くれどもそれは自然なことであって、それがあってはいけない・なくさなければいけない、という「不可能の努力」(570話)が間違っていたのである。私はまだ33年物の梅酒ほど熟成はしていないけれども、不可能の努力をしなくなったことは大きな進歩だと思う。

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コメント

 先生、こんばんは。お母様が退院されてよかったですね。私も梅酒って好きです。飲みたくなってしまいましたが、今はないのが残念です。

 梅酒やあんず酒をつくってくれた・・、振り返ってみると、そういう母親のお陰で、何気ない日々の生活がいかに豊かでしあわせだったか、と思うことがあります。「因縁の年」につくられた33年物の「梅酒を飲むことができて感謝しなくてはならない」と思われているのは、先生がその歳月を努力されて充実した人生を歩まれてきたからだと思います。

 新しい写真、ステキです。紅い立葵、白い(?)電車、青い夏空、絵はがきみたいです。

anxiety様

 コメントいただきありがとうございます。

 おかげ様で母は無事退院しました。病院側からは退院前に要介護(要支援)認定の申請をするように言われて、私が書類を書いたのですが、本人が強く拒否したため提出は見合わせています。まあ、本人の意思を尊重するとして、可能な限り私がサポートしていくつもりです。
 おっしゃるように母親のありがたみは空気の存在と同様に見落としがちですが、まさに「何気ない日々の生活が豊かに過ごせていた」のは母親のおかげに他なりません。
 今回はすっかり私のほうが癒されてしまいました。ありがとうございました。

 とても小さな写真ですがタチアオイと気づかれたのはさすがですね。わが家のすぐ近くを走っているローカル私鉄(静岡鉄道)の線路沿いにタチアオイが植えられていて、今が満開で風車のように見えます。梅雨の合間の晴れた時に撮ったものです。

先生、こんばんは。 特別な梅酒をいただいたのですね… 当時のご両親は、手作りの肴とお酒でお客さまをおもてなしされていた様子、素敵ですね。 梅酒の梅が崩れていなかったのは、お母さまが一つ一つ丁寧な仕込みをされたからだと思われます。

人生はスムーズには行きませんが、今が心地よいと思えたら、先生の歩んで来られた時間にはなまるをあげてくださいね。よく頑張りました…梅酒で乾杯してご自身を誉めてください。


私は、祖母の大切にしていた梅からシロップを作り、自分にご褒美をあげています。


先生の梅酒は琥珀色になっているのかな…

ヒロマンマ様

 コメントいただきありがとうございます。

 梅酒を漬けた母も神経質なので、33年経っても良い状態で残っていたようです。ウイスキーの琥珀色に比べるとやや赤みがかった色です。

 本当に長い人生は山あり谷ありですね。私の場合「はなまる」ではなくて「はんまる」程度ですけれども、こうして生きていられるのはとても有難いことだと思います。とりあえず、梅酒は実家の片付けをした御褒美ということで味わっています。

先生、こんばんは。我が家にも梅酒がありました。母が4,5年前につくったものです。ずっと飲んでいなかったので、忘れていました。久しぶりに飲んでみましたが、飲み屋のものや売っているものに比べて、ずっとまろやかでおいしいです。このお話のお陰で、眠っていた宝物に気づくことができました。先生、33年物の梅酒はおいしいでしょうね。うらやましいです。

anxiety様

 梅酒を漬けてそのまま忘れ去られている、ということは少なくないようですね。やはり年数が経ったものは味がとてもまろやかで元が焼酎だったとは思えません。anxiety様のお母様もきっちり下処理されてしっかり蓋をされて10年や20年なんのその、の神経質梅酒を作られたのだろうと思います。でもウチのように33年はさすがに置き過ぎです(笑)。

2003年に自宅の改修直前に生まれて初めて漬け込んで
改修が終わって新しくなった台所の棚奥に
しまっていこんでいた梅酒を今開けてみました
良い香りで琥珀とよりもっと濃い色をしています
大丈夫かなと思いネットで調べてみようとしたら
先生の記事に出会いました
ありがとうございます
お母様お大事になさってください

chaco様

 コメントいただきありがとうございます。


 ちょうど10年ものですね。「良い香りで琥珀より濃い色」ということは、きちんと下処理されて、保存状態も良好だったということなのでしょう。改築10周年に乾杯!

 お気遣いどうもありがとうございました。

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