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2013年12月23日 (月)

神経質礼賛 978.強迫からの脱却

 年5回、保健センター(保健所)へ精神保健相談に行っている。相談者は家族のことで相談にくる主婦が多い。先日の相談には、お子さんが強迫性障害のため、確認と手洗いがひどくて家から全く外出できなくなっているというケースがあった。激しい強迫行為に家族も巻き込まれて強迫のお手伝いをしてしまっている。SSRIは限度一杯まで服薬しても全く効果がなく、抗精神病薬を追加投与されたが副作用が出てしまいやめたという。本人にとっても家族にとっても深刻な状況である。ここまでくると、やはり入院して生活の立て直しをしていく必要がある。

 このほど、「生活の発見会」の中の強迫神経症の方々の集まり「生泉会」で幹事をしている方から、新刊書『仲間とともに 強迫神経症を生きる』(定価800円)を寄贈していただいた。確認行為や不潔恐怖に伴う手洗い行為などから抜け出すための具体的技法について述べられている画期的な書である。ここで内容を明かすことはできないのが残念であるが、生泉会のメンバーたちが悪戦苦闘しながらいろいろと工夫してつかんだ技法でありとても価値が高い。原則的には生活の発見会会員限定販売とのことである。関心のある方は生活の発見会ホームページをご覧下さい。

 以前にも書いたことがあるが、私自身、対人恐怖だったほか、強迫行為も経験している。というか、今でも確認癖はあるし、並び替えたり揃え直したりする癖はある。しかし、そのために生活に支障をきたすことはないし、むしろ実生活では役立っている。

以前に住んでいた宿舎やアパートではガスコンロの近くにガスの元栓があったから、外出した時に「閉め忘れたのではないか」と気になることがあった。今の家はガスの元栓が簡単に止められる場所にないので、常に開いたままである。だから閉めたかどうか確認する必要がない。今時のガスメーターには流量センサが付いていて、地震だけでなく流量オーバー時にも自動的に遮断してくれるからまあ大丈夫だろうと決め込んでいる。しかし、玄関の戸は閉め忘れが気になっていた。家を出る時には内側から鍵のツマミを縦にしてドアを開ける。そこでツマミを横にしてから戸を閉めるとオートロックで鍵が閉まる。しかし横にするのを忘れて戸を閉めると鍵は開いたままになってしまうのである。電気錠なので、15秒以上ツマミが縦になったままだと警告音が鳴る設定にはしてあるけれども、急いで家から出てしまうと聞こえないかもしれない。通勤で駅へ行く途中「もしかして閉め忘れていたのではないか」と心配になって確認に戻りたくなることがあった。でも、この頃はその心配をしなくなった。一人暮らししている子供が帰省してきた際、外出時にオートロックがかかっていることを確認するため縦長のドアノブを一度引っ張るのを見て、これはいいと思って私もやるようにしたのだ。病院内の鍵のかかる戸は事故防止のため一度丸いドアノブを回しながら引っ張って確認する習慣があるけれども、家ではやっていなかった。頭の中で「閉めたはず」と思っても「もしかして忘れたのではないか」という疑念が残る。しかし、手で引っ張れば、感触と音で「閉めた」という記憶が確かなものになる。

 つらくても確認はガマンして後ろ髪を引かれる思いで気にはなりながらも次へ進んでいく、そして目的本位に行動する、というのが強迫からの脱却の鉄則ではあるけれども、「わかっちゃいるけどやめられない」のが強迫である。確認を2回3回と繰り返していたらきりがない。安心を求めて回数がどんどん増え、ついには家から出られなくなることもありうる。意味があるのは1回だけであるから、その1回の確認を着実にかつ短時間に行う工夫も役に立つ。しかしながら安心するために別の儀式・・・「はからいごと」をしたのでは新たな強迫行為になりかねないので注意が必要だ。

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