神経質礼賛 987.ホットスポット
ココログのアクセス解析表示が変わって、都道府県別のアクセス率がブログ管理者には見られるようになった。都道府県別アクセス数では現在①東京都16.3% ②千葉県11.2% ③山形県9.3% ④北海道8.3% ⑤神奈川県7.8%の順になっている。もう一つ都道府県の地図が表示されていて、ネット人口当たりのアクセス率が色分けされている。1日の平均アクセス数が200から300のことが多いので、どこの県も青色から水色で塗られていてアクセス率が低いことを示しているが、ただ一つ赤色に塗られていて高いアクセス率を示している県がある。それは山形県である。「神経質礼賛」にとって山形県はホットスポットになっているようである。当ブログでは、単に森田療法の紹介だけではなく、日常の中で森田先生の考え方に沿って神経質を生かしていくことを話題の中心にしているつもりである。そこが山形県の方々に受け入れていただきやすいのではないか、と勝手に解釈している。
かつてアメリカのケネディ大統領が尊敬する日本の政治家としてあげた上杉鷹山(1751-1822)は今の山形県米沢市で活躍した人である。藩主として財政破綻に陥っていた米沢藩を見事に立て直し、新しい産業を育成し、東北地方に壊滅的な打撃をもたらした天明の大飢饉の際にも犠牲者を最小限に食い止めた。現在でも米沢では学校に肖像が掲げられ、偉大な名君として深く尊敬されているそうである。その鷹山公の考え方は森田先生の考え方と相通じるところが多いように思う。鷹山公は自ら徹底的に質素倹約を実践した。森田先生も「物の性(しょう)を尽くす」・・・その物の価値を最大限に生かすということを日常生活の中で患者さんたちに指導していたから質素倹約でムダがなかった。患者さんの指導にあたっては、大学教授たる先生自ら肥桶を担いて手本を示すようなこともあった。鷹山公には、前を通りかかった農家で人手が足りなくて老婆が困っているのを見て手助けをし、後で老婆が殿様だったと知って驚愕したという実話がある。どちらも「ものそのものになる」であり、見栄や体面を忘れた無私の精神である。そして徹底的に創意工夫をこらす姿勢も共通する。
鷹山公の有名な言葉「なせばなる なさねばならぬ 何事も ならぬは人の なさぬなりけり」と同様、森田先生は「人のすることに出来る出来ぬの別あることなし 出来ぬといふはしたくなきが為なり」という色紙を残しておられる。気分本位で屁理屈ばかりこねていて行動が伴わない神経症の患者さんにピッタリの言葉である。神経質人間は慎重過ぎて石橋を叩くだけでなかなか渡ろうとしない傾向がある。しかし、熟考を重ねているので、実際に行動に移せば並の人よりも成功する可能性が高い。とにかく手を出していくことが大切なのである。
« 神経質礼賛 986.レシート類 | トップページ | 神経質礼賛 988.日脚伸ぶ(ひあしのぶ) »
先生、こんばんは。時々出るトラックバックって何だかわからないのですが、今日はちょっと恐る恐るここに書いてみます。
私の場合は、こういう風に神経質を生かしている、と具体的に先生ご自身の例を示して下さるのがとてもありがたいと思っています。例えば、847話で「神経質のよいところで、書類書きは原則、その日のうちに全部処理しておきますし、紹介状など、いずれ発生するであろう仕事は早めに準備しておきますので、スタッフからは喜ばれているようです」と私にアドバイス下さったように。他のお話し下さることも、仕事・日常生活のひとこま、といった感じの事で、私は「神経質を生かすって、何も難しいことではないんだな。ちょっとした心掛けのことなんだな。そういうことが発展すると、大きな、高度な仕事で神経質を発揮することにつながっていくのかもしれない」と感じています。
先生、現在987話、もうすぐ1000話ですね。すごいです!これも神経質を生かしているからこそのことですね。
投稿: anxiety | 2014年1月23日 (木) 04時39分
anxiety様
コメントいただきありがとうございます。
現在はトラックバックは受け付けない設定にしています。特に睡眠薬に関する記事を書いたりすると、いかがわしいサイトが自動的にトラックバックをかけてきて迷惑なので、そうしています。
森田療法のツボは平凡な日常生活の中にある、というのが私の考えです。そこを御理解していただけて、とても嬉しく思います。あまり理屈ばかりこねまわして観念的になっては真の森田からは離れてしまいます。
駄文ばかり書いていて、お役に立つものは十に一つくらいかもしれませんが、まだまだ続けていきたいと思っています。これからもよろしくお願いいたします。
投稿: 四分休符 | 2014年1月23日 (木) 21時54分
先生、こんばんは。
全然「駄文」ではありません。心のこもったすばらしい文章です。身に沁みてきて、先生と対面しているような気持ちになるときがあります。また、話題も豊富でいらっしゃり、いろんな角度から森田療法の教えを伝えて下さるのは、私のような鈍い者にはありがたいのです。
こちらこそこれからも楽しみに読ませて頂きます。
投稿: anxiety | 2014年1月24日 (金) 19時32分
先生、おはようございます。
ゾワゾワさんが訪れることは何ヵ月もなくなり、それでもおかしな気持ちになりかけたときは、先生のブログをみると、なんとなく気持ちが立て直せる気がしています。
気持ちの沈みはパニックの前触れのように感じていたのに、今は気持ちの浮き沈みあって当たり前なんて、思えるようになりました。
これからも、楽しくてためになるブログ読ませて頂きます♪
これからも、先生のブログ楽しみにしています♪
投稿: アッシュ | 2014年1月28日 (火) 08時11分
アッシュ様
ゾワゾワさんは相手にしてもらえないとふてくされて来なくなるものです。相手にしていると喜んで足繁くやってきます。
私たちの日常生活では厄介事が次々と起こります。私も含めて神経質人間はつい過敏に反応しがちですが、森田先生の言われた「感情の法則」の通りで、そのままにしておけば嫌な気分は自然と消退していきます。
ゾワゾワさんを喜ばせるよりも、御家族を喜ばせる、そして御自分が愉しむプランを考える方が絶対におトクです(笑)。
また時々こちらを御覧いただけましたら幸いです。
投稿: 四分休符 | 2014年1月28日 (火) 22時04分