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2014年1月27日 (月)

神経質礼賛 989.明智光秀の謎

 近年、TVの歴史番組で明智光秀がよく取り上げるようになってきた。御存知の通り、本能寺の変で織田信長を倒したが、すぐに秀吉に討たれていわゆる三日天下に終わってしまった人である。謀叛人としての扱いを受けてきた光秀だが、教養の高い文人であり、領民たちからは善政を行った名君と慕われ、家族思い・部下思いの行動や言動も記録が残っている。なぜ本能寺の変を起こしたのか、黒幕がいたのではないか、等々謎に包まれている。以前から、家康を接待した時の食事について信長から叱責されて恥をかかされた怨みだとか、まだ毛利勢が支配している国への国替えという無理難題を命じられて自分が死ぬか信長を殺すしかないというところまで追い詰められたためとか言われているが、それだけではなさそうである。

先週の水曜日の夜、NHKで、歴史ドリームチーム「仰天推理 本能寺の変」という番組があり、面白そうなので録画しておいて翌日に見た。まず料理家の服部幸應さんが出演し、家康の接待役を光秀が仰せつかった時の食事を信長に激怒され足蹴りされた件についての話だった。この時のメニューは今も記録が残っていて、大変贅沢な京料理だったようである。しかし、尾張や三河でよく使われる八丁味噌に代表される濃い味付けに慣れていた信長にとって、これは不満だったのではないかと従来から言われている。それに対して服部さんは、新しいもの好きの信長が牛肉やワインやスイーツを使った斬新な洋風料理を期待していたのではないか、というような仮説を唱えていた。次に登場した漫画家の江川達也さんは、信長に対する光秀の恋愛感情とその喪失が本能寺の変の原因だという。光秀は信長に会いに行き思いを伝えたが相手にされず殺害したと考える説。いわばストーカー殺人説である。その後、犯罪心理学の専門家が二人登場した。一人は光秀の信長への過剰適応が原因という。文人の光秀があえて残虐な叡山焼き討ちを買って出たように、信長に認められようと自分を押し殺して行動し続けたのが破綻をきたしたというのだ。これはよく理解できる。もう一人は本能寺の変の際に光秀が辿った道を経時的に追って検証し、中国地方へ向かう道と京へ向かう道との分岐点で光秀はどうしていいか判断がつかなくなり、逡巡したあげく信長に会いに行った、という説を唱えている。その分岐点から京に向かうのに要する時間からすると、時間がかかり過ぎているという点を根拠にしている。しかしこれには疑問を感じる。一人あるいは数人の行動ではなく、1万を超える軍勢を率いての動きであるから、迷った末、衝動的に本能寺に向かったとは考えにくいし、気づかれにくいように時間をかけて軍を動かして未明の寝静まった時刻を狙って夜襲をかけたと考える方が自然のように思う。事実は闇の中であるから、いろいろな推察は可能である。光秀については、山崎の戦いで秀吉に敗れた後、実は死なずに逃げ延びて出家し、家康の側近の南光坊天海になったというような異説もある。

光秀は叡山焼き討ちという大殺戮をやってのけて残忍な人間とみられがちだが、最初に書いたように優しい一面を持っていたし、細やかで気配り上手であったことを考えると、もしかすると神経質な性格の持ち主だったのかもしれない。現代社会で言えば、自分を押し殺して急成長中のブラック企業のワンマン経営者に仕えて辣腕をふるい営業本部長になったものの、ついにはブチ切れて経営者に逆らう、そんなところのようにも思える。いきすぎた成果主義から殺伐とした雰囲気の職場が増えている。過剰適応から心身に障害をきたしたり、追い詰められて衝動行為に走ったりすることのないように、適度な遊びも必要である。

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コメント

四分休符先生 先日はコメントありがとうございました。  家族は大事な試験の前なのですがネット依存になっています。自分で制限を掛けたりいろいろ試していますがやはりうまく出来てはいないようです。夏にもプレッシャーを感じる事がありましたが、今回は本当に大事な試験があります。膨大な量の勉強が必要となりますが、ネットの時間が長く人より進んでいないことでさらにプレッシャーになり、勉強できないようです。
家族としては、目の前の学習だけしてもらいたいのですがなかなか本人も苦しんでいる様です。あと少しの時間ですが、もう一年は大変だと思いますので何とか頑張ってもらいたいと思っています。
ネット依存は断ち切ることは難しいのでしょうか?先生は以前森田先生が生きておられたらもっと上手なネットの使い方をされたとおっしゃっていましたが、どのようにしてよいのか家族にはわからないでおります。本人は本当に苦しんでいる様なので、何か解決方法はないものかと思ってしまいます。

洋子 様

 詳細な状況がわかりませんが、何度か書かれた内容を要約しますと、
①息子さんは一人暮らしをしておられる。
②趣味の音響関係の製品チェックに長時間ネットを使っている。
③本人もネットに長時間をかけ過ぎているという自覚があり、何とかしたいと思っている。
④深夜にメールが来ることもあり、昼夜逆転しているのではないかと心配である。
 ということなのだと思います。

 私たちのネットの利用度は年々高まっています。特に若い方はスマホを肌身離さず持ち歩き常時使っているような状態です。どこまでをネット依存と呼んでよいのか判断が難しい状況になりつつあります。これから息子さんも就活に入れば、企業情報の獲得や企業とのやりとりもネット経由の部分がかなり出てきます。もはや現代社会ではネットなしには生活することは困難なのが実情です。
 御心配なのはよくわかりますけれども、学校には行っておられ、一日中ネットの対戦ゲームにはまっているという状況でもないので、時期が来れば、より適切な利用ができるようになってくるのではないかと思います。何よりも洋子様御自身が、息子さんの御心配はありながらも充実した生活を送られることに目を向けていかれるのがよろしいでしょう。

 なお、できましたら、ブログ本文と無関係な内容の書き込みは控えていただけると助かります。一般的な精神科的相談であれば、お住まいの市町村の保健センター(保健所)で予約制の精神保健相談を無料で行っています(私も病院のある三島市で年5回担当しています)のでそれを利用されるとよいでしょう。森田療法に関する相談であれば、有料になるかもしれませんが、メンタルヘルス岡本記念財団で行っているはずですので、同財団ホームページをご覧下さい。

四分休符先生 ブログをいつも敬意を持って拝見しています。
NHKで歴史秘話ヒストリアと言う番組が毎週木曜にあり、毎日の雑念のなかそのひと時だけはほっとする時間でした。明智光秀公の事も昨年取り上げられていて、卑怯な人物像ではない事、家族を思う悲劇の人として描かれていました。最後に向かった先は自分の息子が待っている城に何としても帰ろうとして
山賊に襲われ非業の死を遂げたという内容でした。
先日のNHKでの特集私も見たかったのですが、先生のブログが大変参考になり、実際見たと同じ理解が出来ます。改めて文章にまとめブログ更新が間もなく1000回に達する先生のお姿に感銘を受けます。
私は先生の鈴木知準先生の事をお書きになった回が一番心に残っています。
昨日のコメントは失礼いたしました。まずこの内容を記するべきでしたが、心が急いてしまいました。

洋子 様

 コメントいただきありがとうございます。

 私もNHKの歴史ヒストリアは興味がある内容ですと録画しておいて後で見ています。他にBSの歴史番組もしばしば見ます。一般に伝わっている歴史は勝者から見たもので、必然的に敗者は貶められてしまいます。明智光秀もその一人かと思います。従来の評価とは異なり、実は非常に卓越した人物だったとも考えられます。織田信長の先見性や行政手腕はすばらしいですけれども、気分次第では、いつ命を取られるかわかったものではないような主君ですから、仮に光秀が信長を倒さなかったとしても、結局誰かが信長を倒しただろうと思われます。
 歴史散歩はお金もかからず楽しめる健全な趣味と言ってよいでしょう。時々、日常生活の心配事から離れて歴史の世界を見て歩くのも大変結構なことだと思います。これからも歴史上に名を残した神経質人間にスポットを当てて紹介していきたいと思っていますので、また時々御覧いただけましたら幸いです。

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