神経質礼賛 982.プラスワン
数年前から暇な時にヴァイオリン曲やヴィオラ曲の楽譜をScore Grapher Liteというパソコンソフトに入力しておき、それを元にソフトシンセサイザーでカラオケ(マイナスワン)CDを自作するということをしている。ポピュラーな曲はカラオケCDが販売されているけれども、クラシック曲は少ない。自分で楽しむばかりでなく、人前で弾く時にも利用できる。さらにここ1、2年は弦楽四重奏曲などの弦楽合奏曲の楽譜を中心に入力していた。女性の手芸や編物のようなもので、少しずつ少しずつ出来上がっていくのは楽しいものである。神経質の欲張り根性で、つい「もう一小節、あと一小節」と入力してしまう。スラーの入力に時間がかかるが、同じ向きのスラーは後からまとめて入力するなど、なるべくマウスのクリック回数を減らす工夫をして、以前よりは効率よく入力できるようになってきた。昨年末、各パート用のカラオケCDを作って、高校時代のクラブの先輩や後輩数名に送った。よくOB会で弾いていたモーツァルト作曲の弦楽セレナード「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」やディヴェルティメントニ長調k136、ちょっと変わったところでブリテン作曲「シンプル・シンフォニー」などが入っている。最近は集まって皆で演奏する機会がなかなかないので、自宅で合奏気分を楽しむには良いアイディアかな、と自画自賛していたら、後輩から「マイナスワンだけじゃなくてプラスワンも作って欲しい」というメールが送られてきた。彼が言うには、自分のパートを強調したもの(プラスワン)があると、弾きやすいので、まずそれで練習しておいて、それからカラオケで弾くようにしたい、ということなのだ。彼の言うとおり、カラオケではなく自分のパートの音量を他のパートの2倍にしたものを試作してMP3ファイルに変換してメールで送ったところ、「左に自分のパート・右に他のパートを定位させたものが作れないだろうか」、ということだったので、再度それを作って送付したところ満足してもらえたようだ。私は知らなかったけれども、MP3再生ソフトに左右のバランスが調整できてさらに速度も自在に変えられるものがあって、彼はそれを利用しているのだそうだ。確かにそれがあれば、プラスワンからカラオケ(マイナスワン)まで好きなように調整して遅いテンポからだんだん速くして練習することができる。これは全く考えもつかなかった。
手持ちのスコアやパート譜でまだまだ入力したい曲がある。今は著作権切れの楽譜がネット上にPDFファイルで公開されていて楽譜の入手が容易になっているので、さらにレパートリーが増やせそうである。神経質の「手芸」は今年も続く。
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四分先生、素晴らしい趣味ですね。
手間暇かけた分、成果が蓄積されて、
同好の士まで楽しませる域にまで達していらっしゃる
四分先生は "神経質なかま" の中でも
"本格化" した格好の成功例ですね
面白いのは、遠慮なく欲しいものをリクエストしてくれる後輩さんです
こういう人間関係から、さらに技術も高まり
完成度が上がってゆくのですね。
神経質の欲張りを "本格化"してゆくと
よい循環がうまれますね
投稿: たらふく | 2014年1月 7日 (火) 15時22分
たらふく様
コメントいただきありがとうございます。
たわいないことではありますが、あまりお金もかからずに、自分が楽しめ、人にも喜んでもらえるのならば、悪い趣味ではないだろうと思っています。私も若い頃はずいぶん先輩方のお世話になったので、少しでも後輩のお役に立てればというところです。体育会系と違って、先輩も後輩も関係ないのが伝統です(笑)。
投稿: 四分休符 | 2014年1月 7日 (火) 21時39分