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2014年3月24日 (月)

神経質礼賛 1008.見たところに仕事あり

 森田正馬先生は巣鴨病院(現在の都立松沢病院)や根岸病院に勤務し、有効な薬物療法もなく精神病患者はただ病院に隔離しておくだけに等しかった時代に作業療法を積極的に治療に取り入れていた。日本の精神病院における作業療法のパイオニアとも言えるだろう。一方、森田医院での、神経症の治療としての作業では、当初は先生が「豆選り」などの作業を考えて患者さんにあてがう、というところから、しだいに患者さんの自主性に任されるようになった。ただ与えられたことをやるだけでは、退院して実生活に戻った時に、日常生活の中でやるべきことを自分で見つけて行動していくのは困難である。時には先生が作業を指示することもあったが、周囲を見つめ、神経質を発揮していくことが求められた。だから、患者さんたちは仕事探しに苦労したようだ。まごまごしていると他の患者さんが仕事を見つけてしまい自分の仕事がなくなってしまう。苦し紛れに古い板塀を雑巾で拭いていて先生に叱られるような患者さんもいたことは、山野井房一郎さんの著書『神経質でよかった』に詳しく書かれている(660話)。

 不思議と仕事が忙しい時の方が仕事がはかどるばかりでなく、わずかの間をぬって趣味を充実させることもできる。休日が続くと、すっかり気が緩んでダラダラ過ごしてしまい、そのうち暇になったらやろうと思っていた家事仕事は進まず、かと言って趣味や遊びもできなかった、というような経験はどなたにもあるだろう。

 「何もすることがない」とゴロゴロしている方にピッタリの言葉がある。見たところに仕事あり。あえて仕事を探そうと焦らなくても自分の周囲を見つめれば、やるべき仕事が見つかるのだ。部屋の中を見れば、ホコリがたまっている場所もあれば、処分したほうがよい古雑誌もある。窓もずいぶん汚れていれば、網戸の目詰まりにも目が行く。トイレの汚れにも気が付くし、浴室の黒カビも目に止まる。神経質人間は、すぐ仕事の手間を値踏みして「やらなきゃならないけど、手間がかかりそうだ」とか「めんどうだなあ」と考えて「そのうちまたやろう」と先送りしがちであるが、とりあえずちょっといいから手を出してみる。もう少しやってみようか、というようになってくるとしめたもので、取っ掛かりは悪いけれども一旦動き出したら簡単には止まらない神経質の特性が発揮されて、仕事が片付いていく。神経質エンジンがフル回転となる。そうなると後から充実感もついてきて、面白いように仕事がはかどり、仕事三昧となっていくのである。

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