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2014年3月 7日 (金)

神経質礼賛 1002.ストーカーの心理

 国内のニュースを見ていると、月に一度はストーカー殺人のニュースが報じられている。ああ、またかとうんざりする。ほとんどが、女性から振られた男性が女性につきまとい元恋人や元妻をついには刺し殺す、という同じパターンである。そんなことをするくらいなら、迷惑をかけずに自分が死ねばいいじゃないか、と思われるかもしれないが、そうはいかないのがストーカーの心理である。222日の毎日新聞第14面に掲載された仏文学者・鹿島茂さんのコラム「引用句辞典」にその心理が解説されていた。「愛の関係が破綻すると憎しみがパワーアップ」という見出しのこの記事では、精神分析のフロイトの『自我論集』を引用してその心理機制を解説している。

 ナルシシズム段階(乳幼児レベル)では外界のすべてが不快なもので憎しみの対象になりうる。それが性欲動が現れる段階(思春期以降)になると、性欲動にとって快と判断されるものは愛されるようになり、憎しみの対象から一時的に除外される。しかし、憎しみはより根源的なものだから消えていない。だから、「愛」が消滅すると憎しみはパワーアップして戻ってくる、ということである。鹿島さんは、現代社会ではナルシシズム固着の人間が多くなっていて、ストーカー殺人が増えるのも当然であり、対策は自己愛型の人間を避けるしかない、と結論しておられる。

 昔はストーカーがいなかったというわけではないだろう。歌劇「カルメン」のストーリー・・・ドン・ホセは職業も婚約者もすべて捨ててカルメンを追い求めたがカルメンはすでに闘牛士に心を移しており復縁を迫るが拒否されて刺殺する・・・はストーカー殺人そのものである。おそらく似たような事件が実際にいくつもあったのだろう。しかしながら、鹿島さんの言われるように、現代社会が自己愛型の人間を増やしているのは確かなような気がする。そして、携帯やスマートホンといった便利道具が必ず重要な脇役として存在するのが現代のストーカー事件の共通点である。

 神経質にもナルシシズムは潜んでいる。特に対人恐怖にみられる自我の強力性と弱力性は精神分析の研究者からみれば、自己愛(ナルシシズム)と自虐愛(マゾヒズム)ということになる(587)。ただ、神経質の場合、振られたら怒りよりもまず凹んでしまい「自分はダメ人間だ」と思いこみ、自分の情けなさを責めて身を引くことになるので、本来はストーカーにはなりにくいと思われる。しかし、「社会不安障害にはSSRI」と製薬会社が喧伝するように不安を軽減するためにSSRIのような抗うつ薬を服用して弱力性を軽減させたのでは自己愛だけが残って「困った人」になりかねないので注意が必要である。

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コメント

「神経質の場合、振られたら怒りよりもまず凹んでしまい「自分はダメ人間だ」と思いこみ、自分の情けなさを責めて身を引くことになるので、本来はストーカーにはなりにくい」

真実その通りでございますshockcoldsweats01

 ブログ拝見しています。

なお、勝手ながら、下記掲示板に掲載させていただきました。
http://8246.teacup.com/0244/bbs/?

たらふく 様

 コメントいただきありがとうございます。

 自分自身を振り返ると、あっさり引き下がり過ぎ・押しが足りなかった、であります(笑)。

GA 様

 掲示板、拝見しました。

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