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2014年3月 3日 (月)

神経質礼賛 1001.一日一食の是非

 外来通院中の患者さんで一日一食しか食べないと言う人が数人いる。ある患者さんは、激務のためにうつ病になり、仕事ができなくなって退職してしまった。妻子を連れて実家に戻ったので、それまで通院していたクリニックから私の勤務先の病院に通院するようになった。やがて症状は改善し、薬を漸減。地元の企業で1年ほどパート勤務をしたところ、前の会社の上司からまた働いてくれないかと声がかかり、再び前の会社の正社員となって実家から通勤可能な部署に勤務することになった。くれぐれも無理はしないようにと注意しているが、今のところ順調である。ただ、この人は若い頃からずっと一日一食なのだそうである。本人は「長年そうだったし、朝は食べれないので」と言う。一日一食でも体重は標準体重を大きく超えている。よくいる朝食抜きの学生さんは低血糖のためにヤル気が出なかったりイライラして勉強に集中できなかったりしやすいという話をして、菓子パン1個や菓子1個あるいはバナナ1本でもいいから少しでも朝は何か食べるようにと勧めて、今ではそのようにしてもらっている。

 日本人は古くは一日二食だった。いつから一日三食となったのかについては諸説あってハッキリしない。ただし一日二食ではあっても武士や肉体労働者は間食を摂って三食とか四食のことがあった。古代は照明がなく就寝時刻も早いかったし、玄米食や雑穀中心だと白米に比べて消化に時間がかかって二食でも「腹持ち」がしたこともあるだろう。今でも禅寺の修行僧は一日二食しかも一汁一菜の極めて低カロリー低脂肪食である。修行に入ると最初は飢餓感に苦しみ体重が激減することになる。しかし、だんだん体が順応してくるし、長時間座禅を組む禁欲生活には適した食事なのかもしれない。もっとも一人前の僧侶になると中には肉魚や般若湯(酒)を召し上がってメタボになってしまう人もいる。

一日一食のTVドクターもいるようだ。しかし、低カロリー低脂肪の一日一食は修行僧以上に難しい。どうしても一食に多くのカロリーが集中することになって血糖値の日内変動が極めて大きくなる。年単位では大きな問題はないだろうが、もっと長期的な10年単位で考えるとインスリンなどを分泌して血糖値の調整を行う膵臓に大きな負担をかけて、糖尿病になるリスクが高くなるのではないかと心配である。また、食後高血糖は血管に障害をきたすリスクを高める。一食で一日分のカロリーをまとめて摂ったのでは食後の血糖値が一気に上昇して、心血管系の疾患にかかるリスクを高める可能性があると思う。やはり一日一食は避けた方が無難である。

 健康の基本は規則正しい生活、特に食事と睡眠にある。普通の仕事や学業についている人であれば、できれば一日三食、栄養のバランスを考えて食べていくのが望ましい。ちなみに食事もまず野菜類を食べてから肉魚類そしてパン・御飯を食べた方が食後の急激な血糖値上昇を抑えられるそうである。洋食でも和食でもコース料理でそのような順番で食事が出てくるのは理にかなっているのである。

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