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2014年6月13日 (金)

神経質礼賛 1035.紫陽花(あじさい)

 先週、東海・関東地方とも梅雨に入った。この時期、私たちの目を楽しませてくれるのが紫陽花の花である。病院駐車場脇の紫陽花も咲き始めている。先月、日曜日の朝、ホームセンターの開店前の時間つぶしに外にある鉢植えを見ていたら、一鉢千円の紫陽花があって、つい買ってしまった。まだ花が咲く前だったので、どんな花になるか楽しみにしていた。鮮やかな青や赤紫の紫陽花を期待していたら、外側が白、内側が水色の地味なガクアジサイでちょっとガッカリだった。もっとも、私のように地味な神経質人間には似合っているかなあ、と考え直す。そもそも、ガクアジサイが日本古来の紫陽花なのだそうだ。紫陽花の花言葉には「移り気」「浮気」「冷淡」「高慢」「自慢家」といったあまりよからぬものもあるが、「辛抱強い愛情」「元気な女性」というものがあって、梅雨初期のひんやりした空気の中で雨に打たれながら静かに咲いている様にはそちらの方が適切な気がする。

 森田正馬先生が昭和9年に名古屋へ行かれた際に作られた俳句五句の中に紫陽花の句があった(森田正馬全集第7巻p.458-459)。

 あぢさいの靑味深きがめだちけり

 五月雨に 金の鯱鉾 けむりけり

 旅の雨 あるじが家の 夏の萩

一抱への 大五葉松や 浅みどり

鵜飼すみて 芝居のハネを 思ひけり

この年は森田先生60歳。5月に甲府の形外会の招きで座談会に参加してから昇仙峡などを観光旅行。6月には名古屋新聞社主催の座談会があり、翌日は日本ラインや鵜飼を見物されている。さらにその足で京都に向かわれ、三省会の集まりに参加され、大阪毎日新聞社の講堂で講演もされている。今と違って汽車での移動にはかなり時間がかかり楽ではなかった時代である。そんなお忙しい合間にこのような俳句を作られているのである。忙しいほど仕事もはかどり趣味も楽しめるものである。それにしても森田先生の句のように、紫陽花はやっぱり濃い青がいいなあ、と思う。

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コメント

 先生、こんばんは。
 鮮やかな色の、毬のあじさいを期待されていたのであれば、たしかに額の花とはちょっと落差を感じてしまうかもしれませんね。お慰みに、額の花の句を紹介いたします。私はまだそれを詠んでいないので、「季語の花 夏」(TBSブリタニカ)から選びます。

 <額咲いて鋏おもたき女かな>  石田波郷
 <額の花どこまでこころほそくなる> 加藤楸邨
 <雨つけしまま剪らせたる額の花> 川崎展宏

 額の花を意識するきっかけを頂き、お陰さまでその趣に少し気付けたような気がします。今年は私も詠んでみたいです、難題ですが。
 ご紹介の森田先生の句、私は<五月雨に金の鯱鉾けむりけり>がとても好きです。

anxiety 様

 コメントいただきありがとうございます。

 俳句の世界では短く「額」あるいは「額の花」なのですね。いつも教えていただいて感謝です。華やかさにはちょっと欠けるけれども、風情あるガクアジサイを軽んじてはいけないようですね。

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