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2014年6月16日 (月)

神経質礼賛 1036.常用漢字

 先日、旧知の間柄のkeizoさんの掲示板「日々の賀状」を見ていたら、ある人がビジネス文書の文頭に書く「御社ますますご盛栄のこととお喜び申し上げます」で「お喜び」とするか「お慶び」とするかについて、常用漢字「慶」にはそのような読みはないから、「お喜び」と書くのが正しい、一流の上場企業は「お慶び」とは書かない、と書き込んでいた。それに対してkeizoさんは古語に、昇進や任官のお礼を申し上げること、またその儀式、を表す言葉に、「よろこびまうし」【慶び申し】というものがあり、さらに慶春、慶幸というような使い方を挙げて、同じよろこぶでも「慶ぶ」の方が意思が入ってより積極的なのではないか、と書かれていた。なるほど、その通りだと思う。私は一流企業に在籍したことはないから、もっぱら「お慶び」を使ってきたし、その方が相手に対する敬意が示されると考えている。

 常用漢字にないと使ってはいけないというわけではなく、漢字使用のひとつの目安にすぎない。常用漢字を強要したら、作家や歌人・俳人は悲鳴を上げるだろう。医学関係も同じである。2010年(平成22年)に常用漢字の改定が行われた際に、勺・錘・銑・脹・匁の5文字が削除された。現代では勺や匁を使う機会がほとんどないし、銑鉄の「銑」もあまり使われないからというのはわかるが、皮膚の腫脹というように「脹」はよくカルテに書く字だし、形状を表すのに紡錘型あるいは紡錘状というように「錘」も時々使う。ついでに言うと、皮膚科の病名は常用漢字にない難しい漢字が多くて、例えば皆様お馴染みの「いぼ」の正式病名は尋常性疣贅である。常用漢字にないからと言って、たとえ国立病院であろうと一流病院であろうと、カルテの病名欄に「いぼ」と書くわけにはいかないはずである。

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コメント

先生、こんにちは。
このたびは、私の掲示板のことを話題に取り上げていただき、ありがとうございました。
「常用漢字」の問題をすっきり整理していただき、
大変参考になりました。
常用漢字の問題は、以外にも医学用語に大いに関連があったのですね!!

keizo様

 こちらこそ、当記事を掲示板に紹介していただきありがとうございました。
 
 書き忘れましたが、私の勤務先で用いられている、他の医療機関からの紹介状に対する返書の定型文も「お慶び申し上げます」になっていました。
 医学用語は読めない・書けないで苦労する漢字が多いです。本文に御紹介した「いぼ」→「尋常性疣贅(ゆうぜい)」の他に「たこ」→「胼胝(べんち)腫」も厄介です(笑)。

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