神経質礼賛 1053.露店の食品
先月末、私が住んでいる街で最大の花火大会の際に露店で売られていた「冷やしキュウリ」を食べて病原性大腸菌O157による食中毒患者が出た。日増しに発症者が増え、昨日のニュースでは患者数413人、うち重症のため入院したのが101人に達したという。冷やしキュウリとはどんなものだろうか。お祭りの類には近づかない私のことなので、想像もつかなかったが、キュウリの浅漬けに棒を刺して氷で冷やして売っているものだそうだ。暑い中では見た目に涼しげだし、ビールのつまみにも好適ということなのだろう。夏場の京都の観光地ではちゃんとした漬物屋さんが作った冷やしキュウリや冷やし大根が店で売られているという。それならば安心だけれども、今回の件では露天商が車の中で漬けた1000本のキュウリを1本200円で売っていたのだそうだ。ちなみに1000本完売。二次感染者も含まれているであろうから、単純に発症率4割とは言えないけれども、これだけの人数の人たちが発症したのだから恐ろしい。野菜や果物類を販売するにあたっては、保健所の許可はいらないとのことだが、漬物のように手が加わった物も同じ扱い、というのは疑問である。それに露天商は衛生意識が低く、平気でお金を触った手で食べ物を扱うのが常であるから、火を通した食品よりもこうした生の食品はさらに危険性が高いかもしれない。身を守るためには神経質に祭りの露店の食品は避けた方が安全である。
私は子供の頃、露店で食べ物を買うことを親から禁じられていた。不衛生だから病気になるかもしれないとか、有害な着色料を使っているという理由からである。
神経質性格になるのは、遺伝的要因に加えて親の養育態度も含めた環境因によると考えられている。私の場合も同様で、母親の家系は神経質な人が多いので遺伝的な要因が大きい上に、細かいことを注意されて育ったために神経質性格が形成されていったのだろう。神経質のために損をしていると思っておられる方々は多いが、神経質のおかげで種々のリスクを回避でき、健康や安全を保つことができ、知らず知らずのうちに神経質の恩恵を受けているのである。
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先生いつも楽しみに読んでます!食品は一番先に口に入る怖い商品なのに、意外と客の方は無頓着で買ってません?露店に限らず通常の店舗でも成分表示がないわけのわからない商品が横行してます、これって何かあれば当然自己責任でしょうね?信頼の元にが仇にならないようにしたいですね、行政では末端の屋台や露店までは何か発生しないと見ませんね、このへんは大いに神経質発揮すべきですね
投稿: けんじ | 2014年8月12日 (火) 18時17分
けんじ様
コメントいただきありがとうございます。
その通りです。食品はそのまま体に入ってしまうものですから、大いに神経質になるに越したことはありません。
今回の食中毒事件について保健所は露店側に届出の義務はなかったと言い続けてきましたが、この記事を書いた日に(問題が大きくなってから)、加工食品だから届出義務があった、と急に発言を翻しています。事なかれ主義で自分の首が危なくなって初めて慌てるお役人根性丸出しです。森田先生が言われた「ものそのものになる」の姿勢が欠如しています。
種々の食品偽装が横行し、中国で期限切れや床に落ちた肉を平気で混ぜて売るようなこともありますから、私たちも自衛する必要があります。
投稿: 四分休符 | 2014年8月12日 (火) 21時47分