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2014年8月11日 (月)

神経質礼賛 1055.座高

 8月7日の毎日新聞夕刊のトップに「意味がなかった?座高測定」「始まりは胴長健康説」「漫然と78年継続」という見出しの記事があった。この見出しだけで内容がおわかりかと思う。この記事によると、学校の身体検査の際に身長・体重とともに座高の測定が行われるようになったのは日中戦争が始まった1937年で、当時は胴長の方が健康と考えられていて、強い兵隊を育成するために座高測定が取り入れたという。しかし、現在では座高のデータは全く生かされていない。座高に応じて机や椅子の高さを調整しているかというと、そうでもない。ちなみに胸囲も着衣のままでは正確に測定できないという理由で1994年に測定廃止となっているとのことだ。私くらいの世代の体型は胴長短足が多かった。座高が高いと恥ずかしい、という思いがあったものだ。私の子供世代は足が長くなった分、身長も高くなり、欧米人並みの体型になってきている。最近、バレエの国際コンクールで日本人が続々と優勝・入賞していて、ニュースで踊っているシーンを見ると、これが今の日本人か、と隔世の感がある。

それにしても、意味もないことを「今までやっているから」と疑問を持たずにいつまでも継続するのはいかにもお役所仕事である。そういう姿勢は自然と学校で子供たちにも伝わってしまう。森田正馬先生が「教育の弊は人をして実際を離れて徒に抽象的ならしむるにあり」と書かれた色紙を思い出す。

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コメント

先生、こんばんは。

おっしゃる通り、最近の若い人はスタイルがいいですね。
まえから疑問に思っていたのですが、所謂「小顔」の人は、普通の人よりも脳の大きさが小さい(重さが軽い)ということなのでしょうか?

yamabushi様

 解剖学的には頭型というものがあって、長頭の人も短頭の人もいます。見かけは小顔でも長頭で後ろに長いとか後ろが膨らんでいるということもあるでしょう。必ずしも小顔だと脳容積や脳重量が小さいということはないと思います。ちなみに私は丸顔で小顔の反対ですが、典型的な短頭で後頭部は絶壁ですから見た目ほど脳は大きくないかと思われます(笑)。
 頭型は人種的な相違があるし、同じ人種でも年代によって変化しています。日本人の場合、鎌倉時代あたりの古い人骨では長頭の「さいづち頭」が多く、新しい人骨では短頭化してきている、と学生時代に解剖学の本で読んだ記憶がありますけれど、小顔がもてはやされ、それが増加してくるとなると、その説も変わってしまうかもしれませんね。

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