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2014年9月12日 (金)

神経質礼賛 1065.四年ぶりの患者さん

 勤務先の病院から30kmほど離れたところにある内科医院の先生がよく患者さんを紹介して下さる。多くは神経症や軽うつの高齢女性である。今回、紹介状を持って来られた方は、四年前にもやはり紹介状を持って一度だけ受診された方だった。今回、年齢はちょうど80歳になられていたが、かなりお若く見える。体のあちこちの不調を訴えていろいろな医療機関にかかって検査を受けても異常はなく、その内科医院で胃の内視鏡検査をしても異常はなく、再び紹介されてきたのである。

 前回も同様の訴えだった。御主人のガンをきっかけに自分の体の心配が強くなり、不安、不眠をはじめ種々の症状が現れた。こちらを受診して良くなったそうだ。御主人は今もお元気だが、だんだん介護が必要な部分が出てきている。そんなことから、また自分の体の心配が強くなってしまったらしい。症状に関しては雄弁に語る。病気と言うよりは元来の心配性のため自分の体の方にばかりに注意が向き過ぎてあれこれ「症状」が出ているという説明をして、「こちらでは特に薬は出さないけれども内科の先生にはお手紙を書いておきますよ」と言っておいた。「それじゃあ、またカラオケにも行った方がいいのかねえ」と彼女は言う。「カラオケは大いに結構です。80年もずっと休まずに体は動いてきたのだから、小さな不具合は誰にでも出てきますよ。まあ、こんなものかなと思って日々を過ごされていけばいいんじゃないでしょうか。神経質で心配性の人は異常を感じるとすぐに医者にかかって検査を受けるから大病をすることが少なくて長生きしますよ」と言っておいた。さて、またお会いすることはあるだろうか。

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コメント

先生、こんばんは。
今回の患者さんのお話しも、共感できました。

私もパニックを初めておこしたとき、娘はまだ3才で、もし私が今パニックを起こせば、娘の安全は守れないと、今、パニックをおこしたらどうしよう…。と考えて自分の弱さを責めてばかりでした。

でも先生のお陰で死ぬことはないし、目的本意で考えれば、まあまあな行動がとれることで充分なんだとわかりました。

娘の学校、学童、会社、妻と何役もこなさなければならない毎日ですが、気持ちの切り替えが上手になったと思います。

あ、パニック障害は治っていないと思いますが、日々ちょっぴりの幸せと、大変だなぁ疲れるなぁと思いながら、でも結果幸せです。

おひさしぶりのコメントでとりとめもなく失礼しました。(^_^;)

アッシュ様

 コメントいただきありがとうございます。

 相変わらず一人三役四役で御活躍されていますね。治らないとおっしゃいますが、誰でも満員電車は息苦しくて逃げ出したくなりますし、人前では緊張しドキドキしますし、不潔は嫌ですし、カギの閉め忘れは心配になるものです。そうではあっても仕方なしに日常生活が回っていればそれでよしというものではないでしょうか。症状があるとかないとかを考えなくなればそれが「治った」です。そして、大変だけれどちょっぴりの幸せがある、というのが一番です。

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