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2014年9月 1日 (月)

神経質礼賛 1061.あがり症だった欽ちゃん

 芸能人でも人前が苦手な人として竹中直人さん(105話・484話)小林幸子さん(323話)について書いたことがある。さらにもっと大物を書き落としていたので、ここで紹介しておこう。それは欽ちゃん、萩本欽一さんである。

父親はカメラの販売で成功して会社を経営し裕福な生活を送るも、萩本少年が小学校5年の時に倒産。そのため中学時代は極貧生活。借金取りに追われて高校の時に一家で夜逃げし、やがて家族バラバラとなってしまう。家庭が裕福で小さい頃大切に育てられてその後父親の事業失敗のため経済的に苦労すると、子供にとっては強い「死の恐怖」を味わうことになり、神経質傾向が強まることが考えられる。神経質人間だった松下幸之助(211話)と同様のパターンである。萩本少年は、「お金持ちになりたい」とコメディアンへの道を選び、浅草の劇場で修行に明け暮れる。神経質ゆえのあがり症に苦しみ、自分はコメディアンには向かないんじゃないか、と悩む。しかし逃げ帰る家はないので人一倍努力を重ねる。外食で食べるうどんはいつも「かけうどん」に決めていたという。なかなか芽は出ないが、先輩たちからの応援もあって、何とか芸人の世界に踏みとどまる。やがて坂上二郎さんと出会い、コント55号を結成して大成功をおさめ、国民的スターになった。


 
 誰でも人前では緊張するし多かれ少なかれ「あがる」ものである。ところが神経質人間は「他の人は何でもないのに自分ばかり緊張してあがってしまう」と思いこみがちである。そして何とか緊張をなくそうと不可能の努力をするために、ますます自分の状態に注意が向いて、敏感になり、その結果さらに緊張を高める、という悪循環に陥りやすい。森田先生は次のように言っておられる。

人前で、きまりが悪いとか、恥ずかしいとかいうのは、人の感情であって、なんともない人は、白痴か変質者か精神病者であります。神経質の皆様は、誰でも対人恐怖でないという人は、一人もありますまい。その恥ずかしい事の、あるがままにある人が、常人であって、これに屁理屈をつけて、恥ずかしくては不都合だとか、損だとか、いう風に考えるのが、対人恐怖であります。(白揚社:森田正馬全集 第5巻 p.124


 
 欽ちゃんはあがり症でもあきらめずに芸の練習を積んで克服した。そして神経質の良さを芸に生かすことに成功したのだ。緊張してもあがっても逃げずに仕方なしにやるべきことをやっていく。それが成功の秘訣だったのだろうと思う。

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