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2014年10月27日 (月)

神経質礼賛 1079.久能山東照宮展

 駅前の市立美術館で国宝久能山東照宮展をやっているので見に行った。展示場に入ってすぐのところにある家康の一生を描いた絵巻は一見して平安・鎌倉時代の絵巻風であり、例えば女性の衣装は十二単のようで、時代風俗に合っていない気がする。安倍川での子供たちの石合戦の様子も、石を投げる子よりも刀や槍を手にしている子が多く、弓を引いている子もいて、これはありえないだろうと思う。徳川家康が戦場で用いた2m以上の大きさの金扇馬標(うまじるし:大将の馬側に立ててその所在を示す目標としたもの)には圧倒された。遠方からでもよく見えたことだろう。一方、家康の黒光りする甲冑は形も地味であり全くの実用本位である。徳川歴代将軍全員の甲冑が肖像画とともに一列に並べられていてなかなかの迫力である。家康愛用の火縄銃や刀と脇差もあった。興味深いのが小笠原家寄贈の六十歳位の家康の肖像画である。歴史の教科書などによくある衣冠束帯姿で顔が肉厚の肖像画とは全く印象が異なり、丸顔ではあってもそれほど太ってはおらず、神経質らしい鋭い目つきである。これがリアルな家康の姿だったのだろうと私は直感した。家康が身辺に置いて使っていた品々も展示されていた。今回の目玉はスペイン国王から贈られた洋時計である。

 家康が使った薬刻小刀、鉢と乳捧のセット、『和剤局方』という薬の本もあった。家康は健康にはとても気をつけていて、漢方薬を自ら調合し、駿府には薬草園まで作らせていた。そればかりでなく、家臣に与えたり、孫の家光に飲ませたりしたこともあった。家康が特に愛用したのは八味地黄丸という薬だったと言われている。『今日の治療薬』(南江堂)によれば、この薬は虚証ないし中間証の人に適し、その効能は疲労、倦怠感著しく尿利減少又は頻数、口渇し手足に交互的に冷感と熱感のあるものの諸症とあり、現代の適応症としては、腎炎、糖尿病、陰萎、坐骨神経痛、腰痛、膀胱カタル、前立腺肥大、高血圧とされている。薬理効果としては、血圧降下作用、動脈硬化抑制作用、ホルモン調節作用があり、ラットやマウスの実験では利尿作用や糖脂質代謝改善作用も認められている。まさに中高年男性向けの薬である。家康は五十代後半から六十になっても若い側室との間に次々と子を儲けているから、この薬は強壮剤でもあったのかもしれない。質素な食事、鷹狩などによる適度な運動、漢方薬、そして神経質性格による強い生の欲望が家康の健康と長寿の秘訣だったと言えるだろう。

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