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2014年10月13日 (月)

神経質礼賛 1075.新しい作用機序の睡眠薬ベルソムラ

 今までの睡眠薬とは全く異なる作用機序の一般名スボレキサント・商品名ベルソムラという薬がMSD(メルク)から近々発売予定とのことである。添付文書とIF(インタビューフォーム)が公開されたのでダウンロードしてみた。IFは100ページにもわたる。ベルソムラは脳の覚醒に関与するオレキシン受容体を遮断するという作用機序であり、従来の睡眠薬とは異なる。血中半減期は単回投与の場合、日本人のデータで10時間、外国人のデータで12時間である。従来、入眠剤としてよく使われているレンドルミンの7時間より少し長めである。入眠困難だけでなく中途覚醒にもある程度効果が期待できそうだ。依存性や耐性やいわゆるリバウンドは今のところ報告されていない。従来の睡眠薬がベンゾジアゼピン系・非ベンゾジアゼピン系とも眼圧上昇のリスクがあって急性隅角緑内障の患者は禁忌となっていたが、添付文書を見る限りそうした制限はないので、眼圧上昇を心配する患者さんにはよいかと思われる。

 しかし、問題点もある。まず、併用禁忌の薬剤がいくつかあって、その中に内科でよく処方される抗生剤のクラリスロマイシン(クラリシッド・クラリス)が入っている。また、併用注意の薬剤も少なくない。それと、ナルコレプシー様症状つまり日中の短時間の睡眠発作・驚きや笑いなどの情動によって誘発される脱力発作が出ることがあるという。特に高用量では起こりやすいそうである。となると、自動車の運転や作業中に事故を起こす心配もある。

 従来の睡眠薬に耐性がついているとか依存傾向が強い患者さんの切り替えに使ったり、精神病の入院患者さんの不眠に使ったりする価値はあるだろうが、安易に処方するべきではないと思われる。特に神経症性の不眠は不眠恐怖つまり不眠に対する強いこだわりからくるものなので、繰り返し言っているように、森田療法でよく言われる「眠りは与えられただけとる」・・・眠れたとか眠れなかったとかを問題にしない姿勢がよいだろう。

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