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2014年11月 7日 (金)

神経質礼賛 1083.終身雇用廃止

 月に1回訪問してくる中堅製薬会社のMRmedical representative:医療情報担当者)さんが、「今度、外資系の会社に売却されることになりました」と言う。製薬会社の再編は凄まじい。相次ぐ合併やら外資系入りなどのため、銀行ではないが、元の名前がなんだったかなあ、とわからなくなるくらいである。日本名の製薬会社は減っている。合併により二つの社名をくっつけて社名が長くなって読みにくく覚えにくいものも増えている。近頃の製薬会社のMRさんは大学出たての若い人が1、2年でどんどん入れ替わっていく。それに対して、このMRさんはかれこれ15年以上変わらずに来ているので、いつも薬の話半分、世間話半分である。年齢も私と同年代か少し若いくらいだろうか。外資系になって先々どうなるかわからないので、子供の教育費や老後の生活資金が心配だという。「向こうの会社は社員よりも株主ですからねえ」と言って帰って行った。

 最近、日立製作所が年功序列・終身雇用廃止を打ち出した。ソニー・パナソニックも検討中とのことである。また、114日付毎日新聞夕刊の特集ワイドの記事によれば、政府が高ROM(株主資本利益率)経営を推奨する政策を打ち出しているという。ROMとは利益を資本金や剰余金などで割った比率であり、資本をいかに有効活用し利益を生み出したかと見る指標なのだそうだ。それを高めて外国人投資家に日本株を買ってもらって株価を上げるのが目的らしい。「ROM教」に心酔する経営者はてっとり早く雇用を減らして簡単に利益を上げようとする傾向がある。この政策は雇用の非正規化を推進し、賃金を抑え、消費を冷やして自分の首を絞めるような問題点があるという。

 このところ家康関連の書籍や資料を片っ端から図書館から借りてきて読んでいるので頭の中身が家康漬けになっていて申し訳ないが、信長・秀吉・家康を経営者として考えたら彼らの雇用法は対照的で面白い。破竹の勢いで周囲の戦国大名や宗教勢力などを破っていった信長の雇用は今でいうブラック企業的なところがある。無理なノルマを課し、達成できなければ切り捨てる。激しい競争を勝ち抜いたごくわずかのヤリ手が生き残る。人たらしの名人と言われた秀吉は高給をチラつかせたヘッドハンティングを得意とした。現代の外資系企業を思わせる。有能な人材は集まるが、そうした人材は他へも流れやすいし、新たな人材育成という点では問題がある。家康は投降した敵将たちも殺してしまわず家臣として登用した。家臣が失敗したからといって簡単に切り捨てずに挽回のチャンスを与えた。戦傷のため武士としての働きができなくなっても民政にあたらせるなど、適材適所に配置するのが巧みだった。終身雇用制どころか家を守らせて子孫たちも雇用する仕組みを作り上げた。どれも一長一短ではある。少子高齢化はどんどん進んでいき、年金受給年齢は高くなっていく。若い人がヤル気を出して力を発揮でき、中高年も路頭にさまようことがないようなバランスのとれた雇用体系が求められる。

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