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2014年12月 1日 (月)

神経質礼賛 1091.字体の問題

 今年度になってから、県に提出した医療保護入院届の書類が突き返されることが多くなった。内容に不備があるのはこちらの責任なので仕方がないが、そうでないケースが多くて困っている。患者さんに渡す入院計画書のコピーの県への提出が今年度から求められるようになった。精神科病院の入院期間を短縮して入院患者を減らせ、という厚生労働省の方針に基づいて、県が病院に対して「指導」するためらしいが、その入院計画書に御家族が受取のサインした字体が書類の字体と違う、あるいは住所の例えば「123番地の4」を御家族が入院同意書に「123-4」と書いたために、その違いを指摘して突き返して来るケースが多いのである。例えば患者さんの名前の中に「壽」という字が使われていたのを、息子さんが「寿」と略字で書いたため、字が違うとして突き返されてきた。同じように御家族が「齋藤」を「斎藤」や「斉藤」だとか「渡邊」や「渡邉」を「渡辺」と書こうものなら鬼の首でも取ったように、「家族のサインに合わせろ」と再提出を要求される。病院としては、健康保険証に記載された名前と住所に従ってカルテを作るし、我々もその字体の通りに書類を作る。本来、入院同意書は病院長宛ての書類だし、ましてや入院計画書の受取サインが県にコピーが送られてチェックされているとは御家族は知らない。御家族が略字を使ってサインしたからそれに書類を合わせろ、という御指導は何とも理解に苦しむ。これが形式ばかりを重視する精神保健行政の実態である。お役人様方はよほど時間が有り余っていらっしゃるのだろう。それだけ時間があれば、もっと患者さんのためにやるべきことはあるだろうに。とはいえ、お役人様のお気に召すように何度でも訂正して出し直す他はない。「気に入らぬ風もあろふに柳哉」・・・仙厓さんの禅画「堪忍柳画賛」を頭に思い浮かべる。柳のように枝をなびかせて風を受け流すとしよう。

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コメント

血が沸騰しました
「お役人様のお気に召すように何度でも訂正して出し直す他はない」
30年前に車庫証明申請の書類でこれやられたの思い出しました。
いまなら暴れますよ。
公務員、教師・・・勘違いのバカは多いです
仁術と言われるお医者さんでも、
四分先生みたいな方の方が少ないでしょうね
政治家とかのこと思うと、ああ沸騰沸騰

「本来、入院同意書は病院長宛ての書類だし、ましてや入院計画書の受取サインが県にコピーが送られてチェックされているとは御家族は知らない」

こちらに義があると思うとますます頭にきて
精神衛生に悪いですね
四分先生、これは怒りをパス(拡散)ですね

たらふく様

 コメントいただきありがとうございます。

 怒りのツボを激しく刺激してしまったようで、大変申し訳ありませんでした。たらふく様にもとても嫌な思い出があったのですね。お役所関係の届出書類は理不尽なところが少なくありません。それでいて、担当者が変わると言うことが変わるようないい加減さもあります。
 戸籍関係の届出だったら厳密な正確性が必要でしょうが、今回書いた例などは、強迫の強要みたいなものです。森田先生の「ものそのものになってみよ」という言葉をお役人様たちに差し上げたいです。

 

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