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2014年12月16日 (火)

神経質礼賛 1096.心理検査と就職試験

 精神科では性格検査、知能検査、作業検査など種々の心理検査が行われている。しかし、その検査結果だけで診断することはしない。問診した上で、診断を補強するために心理検査を行うことが多いし、一種類の検査ではなく、何種類か異なる検査を行ってそれらを組み合わせて総合的に判断するのが普通である。私は神経症や軽度うつ病・うつ状態の方の場合、初診時にY-G(矢田部ギルフォード)性格検査を行うことが多く、結果は御本人と御家族に見せて説明している。この検査は120問の質問に対して直感的にはい・いいえ・どちらでもない、の3択で答えてもらうものである。多くの人は15分位で答える。私は単純な検査結果だけでなく、いろいろなところを見ている。例えば氏名の筆跡、検査日と生年月日に書き落としがないかどうか、○や△の付け方が几帳面か乱雑であるか、回答するのに何分くらいかかったか、などであり、それらも補助的な判断材料になる。

 先日の新聞に、教員採用試験でMMPI(ミネソタ多面人格目録)という心理検査が行われている、ということが書かれていた。この心理検査は第2次世界大戦中にアメリカのミネソタ大学病院で開発されたものであり、550問の質問に対して、はい・いいえ・どちらでもない、の3択で回答する。結果は心気症尺度・抑うつ尺度・ヒステリー尺度・精神病質的偏奇尺度・パラノイア尺度・神経衰弱尺度・統合失調症尺度・軽躁病尺度に加えて同性愛者かどうかを判別する男性性・女性性尺度と社会的内向性尺度といったもので示される。「どちらでもない」が多いと判定不能となる。また、自分を良く見せようとするとL(Lie)尺度が高くなって判別される。検査に対して防衛的態度を示す尺度もある。問題数が多いので1時間はかかり、被験者の負担は少なくない。だから、私はこの検査を使うことはない。質問項目には性的指向や宗教に関するものもあって、一昨年、MMPIが公務員採用試験で行われているということが人権侵害にあたるのではないか、と問題になったことがあった。しかし、その後も行われているようである。公務員や教員ともなれば偏った性格の人物を採用したくない、ということは理解できるが、それは面接や小論文でわかるはずである。採用試験にMMPIを用いるのはどうかと思う。

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