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2014年12月 5日 (金)

神経質礼賛 1092.「+」キーと「-」キー

近頃の電化製品では調整ツマミをあまり見かけなくなった。テレビやラジオの音量調整にツマミを回すことはなくなった。もっぱらリモコンの「+」キーや「-」キーでの調整である。パソコンも音量や画面の明るさの調整ツマミはなくなった。わが家のトイレの便座ヒーターの温度調整はツマミを回すタイプだが、病院のヒーターは「+」キーと「-」キーを押して調整する。どの機器もデザインはとてもスマートになったけれども、調整に時間がかかってまだるっこいと感じるのは私だけだろうか。キーを押しっぱなしにすると連続的にアップあるいはダウンするものもあるけれども、行き過ぎてしまって戻したりして、どうも使い勝手が良いものは少ない。スピーカーの音量を急いで大きくしたい、あるいは小さくしたい、という時にはツマミ式の方がかえって良かったなあ、と懐かしく思う。ステレオアンプでは曲を聴きながら高音や低音の調整ツマミを回して曲に合うように変化させて楽しむことができたけれども、デジタルのイコライザーではやりにくい。給湯器の温度を変更するにもキーを何度も押すと設定温度が段階的に変化していくが、その都度「給湯温度○○℃に設定されました」とアナウンスされるとうるさくていけない。全く、便利になったのか不便になったのかわからない面がある。

 森田正馬先生が「神経質は重い車」と言われたように、われわれ神経質人間にも周囲の状況に対する反応が遅れて、この「+」キーや「-」キーでの調整のようにもたつくところがあるのではないだろうか。頭の中で「めんどうだなあ」とか「ばかばかしいなあ」とか「これをやるとどれくらい時間がかかるかな」などと考えるばかりで手や足が出にくい、そんな傾向がある。いくら良い考えをしても実際の行動に移さなければ何もならないし、絶好のチャンスを逃してしまうこともある。「人が便利なように、尻軽く手を出していきなさい」という森田先生の指導に沿って行動していけば、神経質の良さが発揮できるようになるのである。

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コメント

先生、先生の言われる通り+ -キーよりダイヤル式が目に見えてわかり易いですよね!今ではダイヤル式も見なくなりましたが、ダイヤル式が動作に無駄がないと思います、又「神経質は重い車」その通りですね!何事もやるまえに、あらゆる事を考え、挙句に最悪の事まで考えて行動しようとします、だから前に進みにくいのが私の実感です、私はどちらかと言えばマイナス思考から考えて心配してしまい、対応策を考えてから行動しますから、確かに「絶好のチャンスを逃してしまうこともある」実感しております、このブログ読み実践あるのみですね

けんじ様

 コメントいただきありがとうございます。

 マイナス思考、そして最悪の場合を考えるのは必ずしも悪いことではありません。一番いけないのは根拠のない自己愛的なプラス思考だと私は思います。最悪の場合を考えて、覚悟した上で、そうならないように気を付けながら、開き直って行動していく。これができたら神経質が最高に生きることでしょう。
 ただ、神経質な人にありがちなパターンとして、頭でっかちに、ああでもないこうでもないと考えるばかりで行動が伴わないのはまずいわけです。
 けんじ様のますますの御発展を祈念いたします。

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