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2015年1月12日 (月)

神経質礼賛 1105.人の長所と交わらん

 毎朝、通勤の時に歩いて横を通る浄土宗のお寺・華陽院には徳川家康の少年時代に駿府で彼の世話をしていた祖母の華陽院(源応尼)、そして家康66歳の時に生まれた最後の子供・市姫の墓がある。墓所に植えられたみかんの木には小さな実がたわわに生っていて、塀の上から道路に顔を出している。塀に掲示される標語がほぼ1年ぶりに替わっていた。「この一年 人の長所と 交わらん」とある。

 1か月か2か月に1回、不定期に外来受診する強迫神経症の患者さんがいる。確認行為があって仕事は遅れがちとなる。先輩社員からしょっちゅう叱られていて、辞めさせられそうになりながら、高齢の嘱託社員に励まされて、どうにか続けているうちに、3、4年くらいして、どうにか仕事が人並みにできるようになってきた。例によって彼女がメモを見ながら語る。「新しい子が入ってきたけど、仕事がのろいし、休憩の時に皆が持ち寄る菓子を持ってこないし、頭に来るから無視してる」のだそうだ。「腹が立つかもしれないけれど、それって何年か前のあなたと同じじゃないのかなあ。慣れないうちは誰だってそんなものかも知れないよ。それに誰でもいい所はあるはずだよ。面白くなくても職場では仲良くした方がいいよ」と話す。

 神経質人間は、他人の欠点によく気が付く。大人の人格を持った(森田)神経質だと、自分の欠点にも目が行くので他罰的であると同時に自罰的でもある。そして対他配慮があれば、他罰よりも自罰が前面に出ることが多い。それに対して人格未熟なヒステリー傾向の神経症、ヒステリー性格の人だと、自分の欠点は棚に上げて他人の欠点ばかりを批判しがちであり、もっぱら他罰に終始する。そうなると、職場や家庭で嫌われて損をすることになり、結局は自分に返ってきてしまうのだ。人の良いところを見つけて、欠点には少し目をつぶってあげれば、人間関係もうまくいき、結果的には自分の気分も良くなるのである。

 

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