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2015年2月 2日 (月)

神経質礼賛 1112.イネーブラー

 医学用語ではないがイネーブラー(enabler)という言葉がある。アルコール依存症の相互援助グループAA(アルコホリクス アノニマス)などで使われている言葉である。アルコール依存症者は飲酒による失敗を繰り返す。酔ってケンカをしたり物を壊したりして警察の御厄介になったり、深酒のため翌日の仕事に出られなかったり、飲み代のために借金がたまってしまったり。そこで本人に代わって家族(たいていは妻)が謝って回ったり、お金を払ってあげたり、ということをしてしまうと、本人は何も困らないから、ますますアルコールから抜け出しにくくなるという悪循環に陥ってしまう。家族としては本人のために一生懸命やっているのが仇となってしまうのである。ギャンブル依存症でも同様のことが起きうる。このように本人の問題を本人に代わって尻拭いして、結果的には本人の問題行動や不適切な行動を助長してしまう人をイネーブラーと言う。そこには共依存(289)の心理機制が働く。家族がそれに気づいて軌道修正することも本人の回復のためには必要なことである。

 強迫行為を伴う強迫神経症(強迫性障害)も重症になると家族を巻き込んで確認や強迫行為を手伝わせるようなことになってきて、さらに症状は悪化の一途をたどる。家族(親や配偶者)がいわばイネーブラーになってしまうのである。引きこもりの親子関係にも同じようなことが言える場合がある。御家族に対しては、必要以上に手を貸さず、本人とは適度に距離を置き、パートの仕事をしたり趣味をしたりして生活を充実させることを図った方がよい、とアドバイスすることがある。

 国の外交にも同じようなところがあるのではないだろうか。軍事独裁政権によって苦しんでいる人々のために「人道支援」と称して資金を援助するのはとても良いことをしているように見えるが、そのおかげで軍事独裁政権は国民の不満を軽減して、浮いた民生費の分を軍事費に充てることができるのだから、結果的にはその政権を軍事援助しているのも同然とも言える。わが国は借金ずくめだというのに、やみくもに金をばらまいて軍事独裁政権のイネーブラー役をしてしまうは考えものである。

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