神経質礼賛 1130.さくら
一昨日は午前の仕事を終えてから東京に向かった。大学の時の友人A氏、そしてA氏の会社での後輩で、会社を辞めて医学部に入り直し先日の医師国家試験に合格したB氏の二人に会うためである。待ち合わせの時刻まで3時間ある。
まず、一度行ってみようと思っていた谷中散歩を決め込む。ネットにあった「やなか街歩きマップ」をプリントアウトしたものを1枚手にし、日暮里駅で降りた。マップを見るまでもなく、人の流れを見て歩いて行くと、谷中霊園の見事な桜並木に出会う。桜は五分咲きといったところ。道を折れ曲がって三崎坂を降りていく。途中で右の小路に入る。岡倉天心記念公園というのがあって、子供向けの遊具がある小さな公園に過ぎないのだが、トイレの外側のデザインが洒落ていた。長明寺というお寺のしだれ桜が満開である。さらに歩いて行くと、よく新聞などに紹介される「夕やけだんだん」という緩やかな階段の所に出た。谷中銀座商店街は大変な人出である。昭和の懐かしい風情に誘われて人が集まってくるのだろう。総菜屋さんには長い行列ができている。行列が短ければ1本50円の焼き鳥を買って頬張りたいところだ。
また日暮里駅に戻って電車に乗り、銀座のヤマハで少し楽譜を見て、鳩居堂で線香を買う。そのまま銀座の通りを歩いてブリジストン美術館に入る。「ベスト・オブ・ザ・ベスト」という展示は今年の5月17日までで、リニューアルのため何年か休館になってしまうのだそうだ。モネやルノワールなど印象派以降の名画が中心になっていて、充実した内容だった。
美術館から八重洲口までは歩いて5分だ。待ち合わせ場所で、2年前に会ったことがあるB氏がまず私を見つけてくれて、改札口から出てきたA氏と出会う。35年ぶりに見るA氏は同じ年齢ながらずいぶん若い感じである。社会人向けの大学院で若い人たちと接しているためだろうか。三人で「コレド日本橋」に入っている料理屋さんまで「さくら通り」を歩いて向かう。道路の両側の桜は満開に近い。東京駅の近くにこんな素晴らしい桜並木があるとは知らなかった。中華料理を食べながら話が弾んだ。帰りの「さくら通り」は桜が照明を浴びて美しく輝いていた。駅の改札で再会を約して別れる。森山直太朗さんが歌う「さくら(独唱)」の歌詞が頭に浮かぶ。さらば友よ、またこの場所で会おう。
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