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2015年3月 9日 (月)

神経質礼賛 1124.残業代ゼロ法案

 ホワイトカラー・エグゼンプション(WE)制度つまり残業代ゼロ制度などの労働関連法案が国会で成立されようとしている。これは経営者にとって大変好都合な法律改正であり、財界の意向を受けた法案である。多額の政治献金をもらっている独裁同然の与党の力で簡単に決まってしまうのではないかと危惧している。年収1075万円以上の高度プロフェッショナルに適用されるというから、自分には関係ないと思って無関心な方が多いようだが、一旦、これが成立してしまったら、対象となる年収をだんだん下げていくことは目に見えている。今までも、実質賃金を抑えるために、残業代のつかない「名ばかり管理職」に任命して長時間労働を強いるような会社があって問題になった。WE制度を拡大していけば、堂々と安い賃金でめいっぱい働かせることが可能になってしまう。職場のパワハラに追い詰められて、ますます精神科に駆け込んでくるサラリーマンやOLが増えるのでは、心配である。

 そう考えているのは神経質で心配性の私だけかと思っていたら、3月3日付毎日新聞夕刊2面の特集ワイドに「定額働かせ放題」の恐れも、と題した記事があった。これには私が見落としていた懸念も指摘されていた。「マタハラ(マタニティーハラスメント)をいっそう誘発も」という恐れである。現在でもマタハラの根底には長時間労働があるという。WE制度により長時間労働が常態化すると、仕事ができなければ深夜まで働くのは当たり前、ということになってしまう。妊娠・出産・育児をしながら働く女性たちから、妊娠中で体調が良くないから休みたいとか、子供の保育園へのお迎えのために帰宅したいというような希望に対して、「あなただけ特別扱いできない」「アルバイトになるか退職してもらうしかない」と迫って退職に追い込むというものである。

 勤務医の世界は残業代なし、労働基準法もへったくれもない。産婦人科医や小児科医や救急に携わる医師たちが過労死したり自殺したりする例があるが、それがすべての労働者の間で当たり前になるようでは困る。

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