神経質礼賛 1147.自撮り棒
近頃、自撮り棒と称するグッズが話題になっている。観光地で風景を背景に自分、あるいは家族・友人とともにいる自分の写真を撮ろうと思うと、通りがかりの人にシャッターをお願いするか、伸ばした片手にカメラを持って広角レンズにして自分を撮るか、カメラをどこかに置いてタイマーで撮るしかない。今では軽いスマートフォンで写真を撮る人が増えていることもあって、スマホを先端に取り付けて1m位の長さに伸ばせる自撮り棒が爆発的に売れているらしい。確かに便利な道具だと思う。棒の手元スイッチから無線でスマホのシャッターを押せるようにしたものもある。
しかしながら、他の人に接触して頭部や顔にケガをさせる心配がある。特に問題が多いのは「自撮り」でなく「他撮り」に使われる場合だ。新幹線ホームで自撮り棒を使って列車を撮っているアジア系外国人を見かけることがあるけれども、もし車両に当たったら極めて危険である。盗撮に利用しようという不届きな輩も出るかもしれない。近隣某国ではコンサートや映画館や美術館などで自撮り棒があまりにも多用されて問題となっているらしい。日本でも規制の動きが出始めている。博物館・美術館・観光庭園・駅のホームなどで使用を自粛するように呼びかけているところがあるようだ。そのうち、運動会でわが子を撮ろうという父兄にも自撮り棒禁止令が出るかもしれない。こういう便利道具が出てくると必ず後から問題が出てくる。自撮り棒は、英語ではselfie stickというのだそうだ。問題となる使われ方ではselfish stick(わがまま棒)になってしまう。使う人が、人に迷惑をかけたらどうしようと心配するような小心翼々の神経質人間ばかりならば、そういうことにはなりにくいのであろうけれども。
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コメント
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読ませていただいてドローンのことが浮かびました。
もっと身近な例でも、ゴロゴロ付きのキャリーバッグ。あれは人ごみでは凶器です。
また背負いバッグ。ラッシュの電車でそのまま背負っているバカがいますね。
少し気を遣えば、荷棚にのせるなり、前に抱くなりせずにはおれないと思うのですが、
人様に押し付けて平気な神経がわかりません。
神経質者はいつも怒っているのか - そんな訳はないでしょうが、エヘヘですね
投稿: たらふく | 2015年5月24日 (日) 01時15分
たらふく様
コメントいただきありがとうございます。
「キャリーバッグの恐怖」は68話に書いていますけれど、それから9年も経って、今ではすっかりはびこってしまいましたね。私は使っていませんけれど、そのうち高齢者用の歩行車をガラガラ押して歩くかも(笑)。
屋外で使う便利道具は気をつけないと周囲の人々に迷惑や危険を及ぼすものが少なくありません。大いに神経質であるにこしたことはありません。
投稿: 四分休符 | 2015年5月24日 (日) 21時37分