神経質礼賛 1148.安全とは言えない電子タバコ
欧米では若者の間で電子タバコが流行っているのだそうだ。国内でも販売され、あたかも害が少なくて健康的かのように宣伝されている。私は吸っている人をまだ近くで見たことがない。「電子」という名称は高級そうなイメージを与えるが、実態は電熱線を充電池の電流で熱してカートリッジ内の液を気化させるだけのことである。そして、吸引すると先端の赤色LEDが光って、あたかも火がついているように見えるという。確かにタール分はないから発がん性の点ではリスクが低いように思われ、通常のタバコほど副流煙による害も多くはないかのようにも思われていた。ところが、厚労省研究班の調査によると国内で販売されている9銘柄のうち2銘柄の蒸気成分からホルムアルデヒドが検出され、通常のタバコ以上の濃度だったという結果が先週の新聞に出ていた。ホルムアルデヒドはいわゆるシックハウス症候群の原因物質の一つである。また、発がん性も指摘され、特に白血病を引き起こすリスクが高いと言われている。やはり電子タバコだからといって安全とは限らない。
さらに私が心配するのは、危険ドラッグのことを考えると、例えば麻酔薬や向精神薬などの薬物がカートリッジに詰められて密売されるようなことである。手軽に薬物を気化させて吸入するようなものが一般に普及すると、悪用される可能性が出てくる。だから、あまり流行って欲しくない。君子危うきに近寄らず、神経質危うきに近寄らず、である。
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