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2015年5月15日 (金)

神経質礼賛 1145.就労継続支援事業

 せっかく病状が軽快して精神科病院を退院しても、自宅でダラダラと過ごして生活が不規則になり、それをたびたび家族から注意されて家族との関係も悪くなる、というケースが以前はよくあった。現在は精神科病院でもクリニックでもデイケアに力を入れている。デイケアに通所することで生活のリズムが保たれ、適度な運動にもなり、趣味を楽しめ、人間関係を築くよい訓練にもなる。しかし、そこから一足飛びに通常の就労というのはなかなか難しい。まずは、障がい者就労継続支援事業のB型事業所に通所して簡単な作業訓練をしていくのが現実的である。受け取る工賃は月に1万円程度であるが、それでも作業しようというモチベーションを高めることになる。ここで半年とか1年とかやってみて、本人の意欲や作業能力があれば、雇用契約を結び給与を受け取るタイプのA型事業所で働くことになる。事業所から月6-7万円の給与を受け取り、さらに障害年金も受けていれば、何とか自立することも可能になる。(A型事業所やB型事業所の利用を希望される方は、まず、通院している病院やクリニックのケースワーカーさんに相談してみるとよいでしょう。)

 入院中にあれこれ問題を起こしてさんざん手を焼かせた人が、退院してB型事業所に通い、やがてA型事業所に通うようになると、表情がすっかり変わり、生き生きとしてくるのがよくわかる。それを見ると本当にうれしくなる。やはり、働いてお金を稼ぐことで自信がつき、人から当てにされる存在となって認められることは大きい。病気を治すのは薬だけではない。以前、書いたように、仕事が人を治す(154話)ということもあるのだ。

 以上の話は精神病の方の場合であって、神経症の「症状」を理由に仕事をしないのはもってのほかである。森田正馬先生の言われた「神経質は仕事の為にす 治るためにせず」(220)の通りである。つらくても仕方なしに働くのが治す第一歩。そして忙しく働いているうちに、いつしか「症状」は忘れてしまい、ふと気が付いたら治っているのである。

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