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2015年6月 4日 (木)

神経質礼賛 1152.症状は相手にせず

 現在勤務している精神科病院で担当している入院・外来患者さんの最も多い病名は統合失調症である。ここ20年位の間に治療薬が随分進歩した。しかしながら、2割前後の方はいろいろな薬剤を使ってみても症状が改善しない。また、薬によって症状が軽減しても一日中「バカ、死ね」という幻聴に苦しめられているという患者さんがいる。異性から「愛している」「遊びに来てね」などという幻聴があって、つい実際に会いに行って、当然誰もいなくて、ということを繰り返していて生活に支障をきたしているという人もいる。治療の目標は、幻覚・妄想・興奮などの陽性症状、無為・自閉・自発性低下などの陰性症状をともに消退させることだが、現実にはなかなかむずかしい。薬が良くなったとはいえ、どの薬もそれぞれ特有な副作用を持っている。薬を増量して症状を軽減させるのと、副作用の問題とのせめぎ合いでバランスの良いところで手を打つしかない。残存する幻聴に苦しんでいる人には、その辛さを共感した上で、聞こえてくるいつもの声は相手にしないようにしましょう、と言っている。実際、幻聴に対して返事をしたり反応したりしていては、次々と新たな幻聴が沸き起こってくるからだ。症状は相手にせず、日常生活を充実させることに主眼にしていくとよい。多少の症状残存があっても、薬を規則正しく服用しながら、仕事に就いている人も少なくない。

 また、うつ病でもスッキリ治らない人がいる。慢性期のうつ病には症状に目を向けるよりも生活に目を向ける森田療法的なアプローチが奏功する場合もしばしばある。

 ましてや神経症では症状を相手にしないことが一層大切である。症状をなくそう、と症状のモグラ叩きをやったところで、どうせまた出てくるだけである。そして症状へのこだわりを強めてかえって悪化してしまう。辛くても症状は相手にせずに、どうにもならないと開き直って、仕事・勉強・家事など、現実の生活と向き合っていく。そういう生活態度が身に付いて来れば、いつのまにか症状は軽減していくものなのである。

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