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2015年7月27日 (月)

神経質礼賛 1169.チャレンジという名の不適切会計

 東芝の不適切会計が大問題になっている。歴代社長が退任し、海外では訴訟騒ぎにもなっている。何でも、社長が3日間で120億円の利益を出せ、チャレンジしろ、と命令した一言で関連会社を巻き込んだ経理操作を行って利益を出したというのには呆れて言葉も出ない。

 開発設計の仕事をしている社員たちは、お客さんに喜んでもらえる良い製品を世に送り出したいという気持ちで日夜頑張っている。そういう世界を知らずに経済学部や経営・商学部出身の数字いじりを得意とする経営者たちが会社を動かしているとこういうことになってしまうのだろうか。

 かつて私が最初の大学を卒業して勤務した会社は日経会社情報では商社に分類されていて、営業員たちには「目標」と称する厳しいノルマが課せられていた。同期で入社して営業に回った人たちは、親戚や知り合いに商品を売りつけるけれども、それが一巡して売る相手がいなくなると「目標」が達成できなくなる。苦しくなって架空利益を計上して翌月に「赤伝を切る」などという姑息な手段を使う人もいたが、そんなことをしても結局は破綻するだけである。大卒の新入社員たちは次々を辞めていった。営業員の半減期は1年と言われていた。会社側は、その分、また新卒者を大量に採用する、ということを繰り返していた。いわば新入社員を食い物にするようなことをやっていたのだ。

 国がやっていることだって東芝やかつて私が勤務した会社と大差はない。お金をジャブジャブ流して人為的に株価を釣り上げて「景気が良くなった」「日本経済が良くなった」と喧伝しているが、おいしい思いをしているのはごく一部の人たちだけ。未来を背負う子供たちにどんどん国債という名のツケを回し、子供たち・わが国の未来を食い物にしているだけのことである。

 斯くあるべしと言ふ

 猶ほ虚偽たり

 有るがまゝにある

 即ち眞實なり

 という森田正馬先生の言葉を政治家や経営者にも噛みしめて欲しいものだ。ごまかしはいけない。事実が全てなのである。

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