神経質礼賛 1171.ヒオウギ
相変わらず休日は旧実家の片付けや草取りに追われている。自宅から歩いて往復するだけで1時間。厳しい暑さの中、脱水にならないように水を時々飲みながら、作業できるのは1時間が限度である。雑草の伸びも早いが、意外と困るのがミツバである。ほとんど野生化していて、あきれるほど大きくなって、庭のいたるところを占拠している。そんな中、細長い茎の先にかわいらしい赤色の花をつけている草がある。その根元には大きな剣状の葉が広げた扇のように並んでいる。仏壇に供えるように切って持って行ったら、母が言うにはヒオウギとのことである。
ヒオウギはアヤメ科の植物である。宮中で女官たちが使う大きな檜扇の形に似ているためにその名前が付いたようである。京都では祇園祭の際に家々の軒先に厄除けとしてヒオウギを飾る風習があるのだそうだ。また、ヒオウギの黒い実は「ぬばたま」と呼ばれている。和歌の枕詞「ぬばたまの」(黒髪などの黒いものや夜に関連した言葉を引き出す)はそこからきている。そんな由緒ある花だとは知らなかった。こうなったらダメでもともと、移植してみようかと考える。
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