神経質礼賛 1184.赤外線体温計
外来通院している人が「昨日から熱っぽい」と言うので、看護師さんに「体温計を持ってきて下さい」と頼むと、新しい見慣れない体温計を持ってきた。どうやって使うのかと思ったら、額の近くに持って行き、ボタンを押すと、ほぼ瞬時にピ!と鳴って、計測終了。これは便利だ。さっそく試しに自分の体温も測ってみる。
赤外線体温計は以前から耳孔に当てて測るものがあったが、測定値にバラツキがあった。また、鼓膜の温度を測定するので腋下温より高めの値になってしまう。新しいこの非接触式のタイプならば、寝たきりや意識レベルが低下している人の体温チェックも容易に手早くできるし、接触せずに測定できるのは院内感染防止の上でも意義がある。私は神経質ゆえ、腋下で測るにしても従来の電子体温計を消毒せずに使い回すのは、HPV(イボのウイルス)などの常在微生物の感染が少々気になっていたから、実にスグレ物だと思う。
値段を聞いたら8000円ほどするとのこと。家庭用血圧計の倍の値段では、一家に一つ、というわけにはいかない。まだまだ高価だけれども、現在主流のサーミスタ(温度によって電気抵抗が変化する素子)式電子体温計が普及したのと同様、だんだん生産台数が増えれば安価になって、いずれはこのタイプの赤外線体温計が主流になるに違いない。こういう技術の進歩はありがたい。
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コメント
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体温計って消毒なしで使い回しだったのですか!?
疑いもしませんでした。
ショーックであります
前回のラジオの松陰先生ですが、数回聞いております。
たしかにコツコツとマメに積み上げていかれる感じの講師先生です。
森田先生に関心があって全集を読み、そこで松陰先生の話を目にすることは有り得ても、
逆に松陰さんの文献から森田先生を見つけることは、まず想像し難い奇跡です。
講師先生は森田ファンで間違いないですよ
投稿: たらふく | 2015年9月11日 (金) 22時50分
たらふく様
コメントいただきありがとうございます。
体温計は使う前と使った後にアルコール綿で消毒するものなのですが、病院・医院・介護施設などの現場でどれだけ徹底できているか少々疑問です。赤外線式が早く普及してくれるといいなあと思います。
森田療法を深く学んだ方々が意外なところにおられるものです。またそういう方を見つけたら紹介させていただこうと思います。
投稿: 四分休符 | 2015年9月12日 (土) 20時54分