神経質礼賛 1186.転職を繰り返す人(ジョブホッパー)
外来患者さんの中には転職を繰り返している人がいる。ハローワークの紹介で就職したにもかかわらずブラックな会社で勤務条件が実際にはあまりにも違い過ぎて辞める、というようなケースもあるけれども、意外に多いのが、職場の雰囲気や人間関係が合わなくて辞めてしまうというケースである。あまり転職を繰り返していると採用面接でそれを指摘されて不利な扱いを受ける恐れがある。日本と異なり終身雇用の風習がなくスキルアップの転職がプラスに評価される欧米でも、短期間に仕事を転々とする人をジョブホッパーと呼び、マイナスイメージで見られることもあるらしい。
就職に絶対有利な資格を持つA氏も転職を繰り返している。最初は上司のひどいパワハラに遭ったとのことで、軽いうつ状態になって受診してきた。仕事を休むと症状は良くなった。その後、4回ほど転職した。引く手あまたの職種だからすぐに次の職場が見つかる。しかし、どこも「嫌な人」がいて、出勤できなくなって休職した挙句に辞めてしまうのである。となると、やはり職場の問題というよりA氏自身の問題と言わざるを得ないだろう。
人が十人集まれば、自分と合わない人、あまり一緒に居たくない人が一人や二人いてもおかしくない。自分と合う人だけの職場などありえないのである。人は変えられない。自分を変えるしかない。合わないと思う人でも、職場ではある程度は自分の方から合わせて行く努力を続ける他はないのである。境遇は思ったようにならないものだ。うまくいかないからといって、人のせいにして人を恨んでもどうにもならない。森田正馬先生の言われた「自然に服従し境遇に従順なれ」(828話)の通りである。
« 神経質礼賛 1185.国勢調査インターネット回答 | トップページ | 神経質礼賛 1187.変わった性格の人とうまくやっていくには »
« 神経質礼賛 1185.国勢調査インターネット回答 | トップページ | 神経質礼賛 1187.変わった性格の人とうまくやっていくには »
コメント