神経質礼賛 1202.ミカンとβ-クリプトキサンチン
毎朝通勤の時に横を通る華陽院というお寺の塀を超えて道路側に延びた枝に小さなミカンがたくさん生っていた。これは徳川家康が66歳の時に生まれた最後の子供、五女にあたる市姫が眠る墓の近くに植えられた木である。実は小粒で、おそらく駿府城公園にある「家康公お手植え蜜柑」(1086話)と同じ品種と思われる。先週、橙色に色づいてきたので、そろそろカメラに収めようと思っていたら、時すでに遅し。今週になってお寺の人が収穫したらしく、道路側に延びた枝も刈り取ってあった。(今の写真は3週間ほど前の状態です)
スーパーで売られているミカンが安くなってきた。皮に少し緑が残っていて、ほどよく酸味が効いた今時分のミカンが私は好きである。三ケ日ミカンの「わせ」の出荷が始まったというニュースが流れていた。生鮮食品では初めての機能性表示食品なのだそうだ。三ケ日ミカンは温州(うんしゅう)ミカンという品種であり、温州ミカンはカロテノイド色素の一種であるβ-クリプトキサンチンという成分を多く含んでいて、閉経後女性の骨粗鬆症予防に効果があることが疫学研究で証明されている。この成分には、糖尿病の進行抑制、免疫力強化(発がん抑制)、美肌効果などもあると言われている。おいしく健康になれる食品は大いに結構である。三ケ日ミカンに限らず、他の産地の温州ミカンでも同様と考えてよいだろう。
もっとも、β-クリプトキサンチンは卵黄、リンゴ、バターなどにも多く含まれているのだそうだから、ムキになって温州ミカンばかり食べる必要はないし、実よりも多くβ-クリプトキサンチンを含んでいるという皮まで食べなくてもいいだろう。結局はバランスよくいろいろな食品を摂って、さらに、その季節の旬のものをいただくのが健康によいのである。折しも食欲の秋。食にも知にも貪欲でありたい。ちなみに森田正馬先生の色紙に次のようなものがある。
常に何かと食ひたいと思ふ人は健康な人であり
常に何かと知りたがり疑ひ考へ工夫する人は
精神優秀なる人なり 正馬
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