神経質礼賛 1217.安
年末恒例「今年の漢字」は「安」だった。常に手放しで現政権を礼賛し続けるY新聞によると首相の苗字の「安」なのだそうだが、庶民が求めているのは、お役人様たちが繰り返し口先で言う安全安心ではなく本物の安全安心の「安」なのである。そして、「安」が一位になるということは、「安」が欠乏した不「安」な世の中だからと言えるのではないだろうか。
日本人の平均年齢が伸び続けているのは喜ばしい反面、追いつかない介護、老後破産といった問題が膨らむ一方だ。私がいつも国営ネズミ講・ぼったくり詐欺と呼んでいる年金は基金がハイリスク投資をして何兆円もの損失を出した。このままでは基金が先細りして年金支給開始年齢はいずれ70歳、75歳、80歳と上げざるを得なくなるのは目に見えている。それまでどうやって生きていけというのだろうか。「安」心には程遠い。原子力発電所も目先の経済優先で「安」全性を無視していつの間にか再稼働されている。世界平和に貢献のためと称して、不戦を誓った憲法理念を無視して黒を白と言いくるめる詭弁で「安」保法をゴリ押しした。これからアメリカの国益のために戦わされ海外で血を流し犬死する日本の若者たちが出てくるだろう。そして日本国内でテロが起こるリスクが高まる。本物の安全安心の世にするためには、誰もが危機意識を持ち、ニセの安全安心に騙されないようにする必要がある。自分には関係ない、どうせ無駄だと選挙で棄権するのは無責任極まりない。現政権の最大の支援者は棄権する人々なのである。
安心はもともと儒教で言う安心立命(天命を知り心を平安に保つこと:370話)の略なのだそうだ。不安な世ではあっても、生活に不安があっても、自分の健康に不安があっても、不安常住(240話)。諸行無常であって不安はどうにもならない。不安はそのままにしてできることをやっていくしかない。そうすることで不安心即安心となるのである。
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政も官も上層、幹部が馬鹿野郎だから恐ろしいことになっていますね。国民が期待して当選した議員は、とたんに地位や利権をほしがる利己主義者になってしまいます。
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昔は日本の官僚は世界一優秀とか聞かされましたが、今思うとあれも "大本営発表" だったみたいです。
ひとたびおエライになってしまうと、それを監督しチェックする制度がほぼゼロですね。
むかしの学生運動とか過激派は、こんな時になぜ爆発しないのか、不思議な気がします。
(もちろんテロはいけませんが
投稿: たらふく | 2015年12月23日 (水) 00時22分
たらふく様
コメントいただきありがとうございます。
仰る通り、議員「センセイ」になってしまうと上から目線に変貌し、利己的な利権屋さんになってしまうのは困ったものですね。官僚も同じことが言えます。それらのチェック機構がないのもいけませんね。
投稿: 四分休符 | 2015年12月23日 (水) 18時58分