神経質礼賛 1241.人参サラダ
子供の頃、ちょっと苦手な野菜は人参と春菊だった。春菊はたまの御馳走のすき焼きの時くらいしか登場しなかったが、人参はゴボウや椎茸やコンニャクなどと一緒に煮物に、あるいは大根とともに酢の物として、よく食卓に乗った。神経質な子供だったためか、苦手なものは最初にやっつけようということから、まず人参を全部食べてしまうのが習慣になった。妻は人参が大好きで、煮物ばかりでなく味噌汁にも必ず人参を入れる。今はもう苦手ではないのだが長年の習慣でつい人参をやっつけ食いして妻の不興を買ってしまう。
しかし、積極的に食べたいな、と思うのが人参サラダである。あるパスタ屋さんのランチにいつも人参サラダが添えられていて、その味がとても気に入った。軽く茹でた細切り人参をフレンチドレッシングで和えただけのものながら、人参くささがなく、甘みさえ感じる。人参の旬は秋から冬にかけてであり、俳句の世界では冬の季語らしい。しかし、味に関して言えば、春の人参は冬の間に甘味を蓄えていて、ハニーキャロットとも呼ばれ、人参サラダに適しているそうである。サラダ用にはこれからが旬ということになりそうだ。
先日は病院の食事でもカレーライスの付け合わせとして供された。人参サラダは色鮮やかでよい。少量のタマネギとハムの細切りも混ぜてあってとても食べやすい味に仕上がっていた。欲を言えば、人参をもう少し短めに切ってくれると、スプーンだけでカレーライスとサラダが両方食べられて便利かな、といったところか。
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