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2016年5月 2日 (月)

神経質礼賛 1262.パラダイスは何処に

 昨年あたりから新聞記事に下流老人とか老後破産といった嫌な言葉が目につくようになった。サラリーマンを定年退職して貯金が3000万円あっても老後破産の心配がある、いや3500万円でも危ない、とかいった記事を読むと、それほど貯金はないし退職金も期待できない自分の場合どうなってしまうのだろうか、と心配になる。送られてくる「ねんきん定期便」を見ると、65歳になった時に自分が受け取れる基礎年金プラス厚生年金の老齢年金額は月あたり約12万円らしい。それに妻の国民年金分を加えれば、車を手放して切り詰めた生活をすればどうにかやっていけそうに見えるけれども、定期的にかかる外壁塗装や水回りの改修など家のメンテナンス費用は数百万単位の出費になるから貯金を取り崩すことになる。そして、病気になればさらに出費は増えるし、要介護の状態になって施設に入らなくてはならなくなると一人当たり月20万とか25万円以上かかるだろうから老後破産は決して他人事ではない。

 現在、毎日新聞朝刊の連載小説は介護や老後の経済問題を扱った林真理子の「我らがパラダイス」である。平凡な生活が親の病気や認知症発症をきっかけに急激に破綻していく様子、その一方で富裕層向けの高級ホテルのような施設の有様、が対比的に描かれていて、ついつい読んでしまう。

 神経質ゆえ先のことが心配にはなるが、どうにもならない。働けるうちはできる限り働き、無駄を減らして、日常生活の中でささやかな楽しみを見つけていく。そこにパラダイスがあるのではなかろうか。

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コメント

はじめまして。ネット上を森田療法について読み続けた結果、先生のブログに一番感動致ししまして、この数日で数百号読んでしまいました。これほど沢山の役に立つ記事を読ませて頂いて本当に感謝しております。

私は海外に居まして、生活の発見会などにも参加できないので、本で森田療法を学ぼうと思うのですが、アマゾンで先生の出してらっしゃる本はもちろん、その他に何か買おうと思うのですが、森田療法関係の本がありすぎてよくわかりません。

本当に突然で恐縮なのですが、先生の考えと似ているようなオススメの本は御座いますでしょうか?無礼を申し訳ございません。

oremiracle様

 多くのページをお読みいただきありがとうございます。他愛のない文が多かったかと思いますが、少なくとも1か月に1回(10話に1話)はまともなことを書いていると自負しております。
 森田療法の入門書ということで、私の師だった大原健士郎先生が患者さんにいつも勧めていた本は高良武久先生の著書『森田療法のすすめ』でして、現在の三島森田病院でも森田療法を希望される患者さんにはその本を買っていただいています。もっとわかりやすい本ということでしたら、認知症の「長谷川式スケール」で有名な長谷川和夫先生の書かれた『森田療法入門』(ゴマブックス)はイラストが入っていて直感的に理解しやすいので、若い患者さん向けです。現代的な森田療法ということでは北西憲二先生や中村敬先生の御著書がよく売れているようです。
 当ブログのように神経質を実生活に生かす、という観点で書かれたものは、やはり実際に森田正馬先生の治療を受けた経験のある方の著書ということになりそうです。山野井房一郎さんの『神経質でよかった』(660・661・662話)あるいは鈴木知準先生や水谷啓二さん(670話)の著書を調べられるとよろしいかと思います。

沢山の本を教えていただき大変助かりました。

早速この中から海外からでも求めやすいものを注文しようと思います。

これからも先生のブログをどんどん遡って読んで精進しようと思います。

ありがとうございました。

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